朝起きた。なんか、枕元にスーパーの袋が置いてあった。中を見てみると、洗剤っぽいものが置いてあった。おそらくあのトルクメン人の嫁が買ってきてくれたものだろう。そのはずだ。だって、昨日洗濯機の使い方を教えてもらったから。しかし、よくもまあ人の部屋に忍び込んでくるものだな。鍵をあけておく僕も僕だけど。
ロシアの洗剤や化粧品などは、原材料や使用上の注意がロシア語だけではなくその周辺諸国の言語でも書かれている。そのこともあって、ロシアの化粧品の箱の裏面は小さな文字が嫌になるほどずらっと並んでいる。この中で僕が読める言語はカザフ語、ウズベク語、トルクメン語、アゼルバイジャン語、モンゴル語、ルーマニア語である。なんだかすごい多いように見えるが、前の4つの言語はお互い方言みたいなものなので、大したことではない。モンゴル語とルーマニア語が分かるのは僕が天才だからです。
さすがに6つも読める言語があると、分からない単語も他の言語で補うことができるので、だいたいの物は読める。そして、この洗剤に書いてあったことをざっと訳すと
「本製品は手洗い洗剤です・・・・(略)。」「直射日光を避け、35度以下の場所で保存してください・・・(略)」と書いてあった。
おい、洗濯機用じゃないじゃん?多分よく見ずに買ったのか(可愛いところあるな)それとも「どうせこいつロシア語読めねえから大丈夫だろ」と思って、そのまま買いなおさなかったのかは知らない。まあ、いずれにせよ手洗い用洗剤というのは理解した。でも多分手洗い用でも普通に洗濯機で使えるでしょ。「これ、手洗い用なんだけど・・・」というのはさすがに言っちゃ可哀そうだからだまっておく。こいつの友達を僕のエクスカリバーでぶっ刺す踏み台としてこいつとの関係は良くしてしておいた方がいい。
