考え込んでいたって
何も考えないでいたって
現実は何も変わらない

なのになぜ考えてしまうのだろう

もう辛いから
考えたくないのに
彼は浮気したら別れるって言ってるのに
どうして俺なんかと会ってくれるの
大好きな彼に振られるかもしれないのに
それは俺を捨てた責任なんか
はるかに通り越しているよ

とんでもないお人好しだよ
大バカだ

でも
彼にばれちゃえばいいのに
とも思っちゃう自分がいる

ごめんな

満月の明かりが、凪いだ海面に刺さる事なく反射している
透き通った空気、月の光りは海の力もかりていっそう辺りを照らす、おそらく小説でも読めるのではないだろうか
バシャ、大きな魚が跳ねた

水面の光りが不規則に揺れる
こんな夜中に魚が跳ねる事はそうあることではない


『長老!長老!ダラス!起きてるか!』その時、一人の若者が叫び長老のダラスのもとをたずねてきた
ダラスはここの、このチームの長老である。
長老と言えば1番歳老いた老人をイメージするがダラスはまだまた若々しく、実際、彼より年長者はチームの中にはたくさんいた。
そう、彼はその頭脳、知性、体力により誰よりも尊敬されているのである。長老とはあだ名と言ったほうが良いだろう。

『なんだなんだこんなに遅くに』

その精悍な顔と体の筋肉からは長老と呼ばれるには無理があるかもしれない
『なんだじゃねえ!てめぇまた知ってたんだろう!』

アウジは詰め寄る
若いアウジは腕力だけならダラスといい勝負なるであろう
言い換えれば、若さゆえの気性の荒ささえなければ、いい勝負になるかもしれない
ダラスに本気で歯向かうのもまたアウジだけである
そんなアウジをダラスは人一倍目を掛けているようにもみえる
もちろん当のアウジにとっては誰に目をかけられようが知った事ではないのだが。

『おいおい、夜中に叩き起こしていきなりオマエ呼ばわりはないだろう』ダラスはいたずらっぽく言った
ダラスの前ではアウジの剣幕もただの駄々っ子である。
『オマエじゃねぇてめぇて言ったんだ』怒りにまかせてはダラスの思う壷、オジーズも最近は考えるようになった
それもダラスのいたずら好きな少年のような表情のせいかもしれない