◎頭の上から暖かい声で
もう考えなくていいんだよ
何も考えなくていいんだよ
て聞こえた
そのあと全身の力が抜けて
本当に楽になった
でも数秒しかなかったけど
それでもその数秒が
そんな楽な状態があるんだとわからせてもらえた
誰が言ってくれたの?
ありがとう
誰かわからないけど俺なんかに声かけてくれてありがとう
そう
感謝の気持ち
忘れてたかもしれない
あいつへどれだけ感謝すればいい?
4年以上の分だけじゃない
こうなったおかげで
俺はやっと動き出した
仕事で上を目指すようになれた
意味のないゲームをやめた
体が痩せてちゃんとした服を着るようになった
資格取得を本気ではじめた
もっとあるだろ
もっと感謝しないと
感謝出来る人になりたかったんだ
忘れていた
あいつと出逢う前にずっと思っていたんだ
感謝出来る人に
なろうって
なれたかなと思った時に出会ったんだ
だからまた感謝出来る人にならないと
今度はうわべだけじゃなく
ずっと
何があっても浮ついて忘れないくらい感謝出来る人に
なりたい
もう考えなくていいんだよ
何も考えなくていいんだよ
て聞こえた
そのあと全身の力が抜けて
本当に楽になった
でも数秒しかなかったけど
それでもその数秒が
そんな楽な状態があるんだとわからせてもらえた
誰が言ってくれたの?
ありがとう
誰かわからないけど俺なんかに声かけてくれてありがとう
そう
感謝の気持ち
忘れてたかもしれない
あいつへどれだけ感謝すればいい?
4年以上の分だけじゃない
こうなったおかげで
俺はやっと動き出した
仕事で上を目指すようになれた
意味のないゲームをやめた
体が痩せてちゃんとした服を着るようになった
資格取得を本気ではじめた
もっとあるだろ
もっと感謝しないと
感謝出来る人になりたかったんだ
忘れていた
あいつと出逢う前にずっと思っていたんだ
感謝出来る人に
なろうって
なれたかなと思った時に出会ったんだ
だからまた感謝出来る人にならないと
今度はうわべだけじゃなく
ずっと
何があっても浮ついて忘れないくらい感謝出来る人に
なりたい
『キリー』優しい声がその背中を呼んだ 『ママ!パパ!』美しさとあどけなさが同居する少女は振り返り、最愛の人の手を握りしめ、最愛の二人から優しく抱きしめられる 『やっぱり…明日なのね、キリー』 『えぇ、でもママそんな淋しい顔をしないで…』 キリーは逆に母を抱きしめる 母子を夕日が赤く染めている 『ママ、私だいぶ前からわかっていたの、だって私自身の事だもの、だからもう心の準備は出来ているわ、大丈夫よ死んじゃうわけじゃないんだから』 キリーの笑顔とは対称的に その言葉は母の涙を誘う事となってしまう、いや母だけでなく父をも 『キリー、立派になったな…』 涙ぐむ父にキリーは胸を張り 『そうよ!パパ!私はもう一人前よ明日から新しい人生を歩むんだから』 キリーは明日、親元から離れてしまう、いや親だけではない、このチームからも… それが運命である、自分の運命はだいたいの者はその時期が近づけば感じるものだ キリーもそうであった 感受性豊かなキリーは数カ月前から感じ、理解していたようだ ここでやり残した事はもう何もない 今ならそう言える自信ができた両親の前で言った言葉は本心であり、両親を安心させるための方便などでは決してなかった 母は顔を上げる 『そうねキリーはもう十分大人だわ』母は涙をぬぐい、夕日はようやく三人の笑顔にスポットをあてることが出来た 『それに…彼らの元にいたほうが長生き出来るみたいだから』キリーの微笑みに今度は二人揃って笑顔で応える事が出来た 『そうだな、いい男もいるかもしれないしな』 『あなたっ!』 『あ、いや、すまん冗談だ』 両親のやりとりを楽しそうにキリーは見守った 覚悟しているとはいえ、この幸せな夫婦のやり取りを明日からはみることができないと思うと やはり純粋な胸は痛んだ 『パパ!ママ!私行くわ!今また運命が見えたわ!今夜は私だけの時間、私だけの一夜を過ごすの!だから…お別れです』 『そんな、お前…』 『あなた、こんなにも立派になったキリーが決めた事ですよ、しかもそれが運命だと言っているんですキリー気持ちを尊重しましょう、ね』 『そうだったな、わかった。ところでキリー、オージズ君にお別れはしたのかい?それとも今夜その…あの…なんだ…そのオージズ君と、今からその…なんだ…』 『あなたっ!何言ってるの!もう!』 キリーはまたクスクスと笑い 『あいつとは昨日、お別れを…あいつの事だからきっとわかっていなかったと思うけどね、エヘッ』 『あらまっじゃあオージズ君は知らないままなの?かわいそうに教えてあげればよかったじゃない』 『うん…なんか言いそびれちゃって…でも大丈夫よ、あいつあんなだけど昔よりは結構物分かり良くなったみたいだから、明日は騒ぐだろうけどね』 三人は顔を見合わせ苦笑しながら頷いた 明け方、キリーは北へ向かう そしておそらくここへ戻る事はないだろう、運命には逆らえない 頭、体、キリーの全てが北へ行く事以外は考えようとはしない それが運命と言われるものなのだ
