- 下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫)/内田 樹
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学ばない子どもたち、働かない若者たちはなぜ、そのような行動をとるのかが、わかりやすく書いてあります。あくまでも著者の考えで、必ずしも、統計などに基づいているものではありませんが、納得できます。
「矛盾」と書けない大学生の中で
「わからないことがあっても気にならなくなっている」という指摘がありました。
正直、自分自身もあまり漢字を書ける自信がありません。
普通であれば、教科書なり、新聞なりで、矛盾という言葉を何百回と見ているはず。それなのに書けない…。
おそらく、その文字を読み飛ばしているからだと。
つまり、意味がわからないことにストレスを感じないということである。
著者は面白い実験をしていて、女子学生にファッション誌にわからない単語があったら、マーカーを引けという実験を行ったようです。
その結果、普段読みなれているファッション誌にも関わらず、
マーカーだらけになったそうです。
だからこそ、著者は文字を読み飛ばし、わからないことにストレスを感じていないと結
論づけた。
では、なぜ、そんなことが起こっているのかに著者は興味があるようです。
自分自身も興味があります。そして、自分自身もここにでてくる女子大生と同じ様な気がして、血の気がひきました…。
本をたくさん読むけど、辞書などは全然使っていません…。きっと本を読めば読むほど、わからない単語に遭遇しているはずなのに…。自分自身もスキップしているかもしれないと思うようになりました…。
漢字も書けないことがあります…。PCに頼りすぎているのかもしれません。
その他、
なぜ公立ばかり学級崩壊するのか?
なぜ妻はいつも不機嫌なのか?
学力が低下すると、誰が得するのか?
格差とは
やりがいのある仕事はどこにある?
などの問に答えていて、興味深い内容ばかりでした。
現場の教師や子供を持っている親子さんなど、この本は読んでおいて損はないと思います。