現代的貨幣論の政策
- 国債の役割はアコモデーションと金融機関の収益確保
- 財政赤字が財政碳綻の直接的な要因となることはないが、民間金融機関に安全な収益機会を確保することにはなる。
- 適切な支出と適切な課税を行うべきであり、財政赤字を調整して経済政策をするべきではない。
- 赤字支出による無制限の雇用保証を行うべき。
個別物価と一般物価
- 個別物価が上昇したからといって一般物価は上昇するとは限らない
- →ある個別物価の上昇
- →消費のシフト&実質所得の減少
- →消費減
総需要<総供給の傾向
物価の下落
個別物価の上昇がどの程度一般物価の下落に結びつくかは不明
財政の物価理論
◎ドーマー条件
公的債務残高/GDPは、プライマリーバランスが中立であれば、AGDP≥r であれば発散しない
→少なくともこれを満たせば財政碳綻はしない?
※基礎的財政収支・PB=財政収支-利払費
Fiscal Theory of Price Level
→将来の債務残高/GDPと、返済可能性によって物価が決まる
→ストックとフローを加味しつつ、財政破綻の可能性を示す
労使理論
- インフレーションは労使対立によって引き起こされる
- コンフリクトセオリー
製品価格= 中間財価格 + 名目賃金(労働の利用)
→財政赤字拡大の先の好景気にインフレ=財政砂綻?
※日本の状況ではありえなさそう
財政の単価理論
・財政支出の単価によって一般物価は決定する財政支出の単価は、事実上の賃金率を決定する
→コンフリクトセオリーに接続
- 財政赤字を拡大しながらデフレーション
- 財政赤字を縮小させながらインフレーション
最後の雇い手:雇用保証プログラム
◎インフレーション対策 →利上げや緊縮財政で景気悪化
→失業によるインフレの克服
• 失業対策 →利下げや積極財政で景気上昇
→インフレによる失業の克服
- 経済学が追い求める夢としての完全雇用
- 貧困の温床としての失業、成長機会の喪失としての失業
ジョブギャランティプログラム
→財政赤字で政府が無制限に職を提供=事実上の最低賃金
国家経済の破綻→財政破綻
- 英国のトリプル安(株価・債権・為替)
- スリランカはなぜ財政破綻した? → 外貨準備の枯渇
- 経常収支= 貿易収支+所得収支
- 貿易収支= 輸出-輸入
- 所得収支 = 海外からの利払等ー海外への利払等+移転
- 外貨準備が枯渇 → 為替安→ 通貨防衛=利上げ→ 利払費増
- 貿易収支 ≤ 所得収支< 金融デリバティブ
- 財政赤字で経常収支改善なら財政彼綻にはならない
- ※財政黒字でも経常収支が悪化すれば財政硤綻しうる
税と公共支出を合わせて考える
1) リンダールメカニズム
公共財は非競合性・非排除性の性質によって市場では過小供給
公共財に対する需要(選好)をアンケートなどで明示
WTP=Willingness to Payに基づいて租税負担を決定する
※市場の存在しない分野で、市場と同様にパレート最適となるような機構を設定することを、メカニズムデザイン/マーケットデザインと呼ぶ。
財政社会学
- 共同需要を共同充足することが財政の目的
- 増税に対する合意形成を社会的紐帯と見なす
- オコンナーの財政赤字必然説に対する批判
資本の利益:資本蓄積=経済成長を促進→減税
労働の利益:労働者の生活の安定=社会保障の充実→歳出増
→資本と労働のコンフリクト =資本主義の矛盾=財政赤字
- 選別主義(コレクティビズム)
二所得制限等、
給付に制限を設ける
→少ない財源で再分配を強化することができる
→給付から漏れる高所得層に不満→社会的分断
→増税に対する反対:納税者の反乱/租税抵抗 - 普遍主義(ユニバーサリズム)
→ニーズがある場合には給付に制限を設けない
→財政支出は増加する
→全ての人々が受益者/負担者になる: All for All
→普遍給付が租税抵抗を和らげる
物価理論と財政
- フローからのアプローチ
→フィリプス曲線、ASADモデル - ストックからのアプローチ
→貨幣数量説、財政の物価理論 - 生産要素価格からのアプローチ
→労使理論、財政の単価理論
租税根拠学説の背景
社会契約説、社会有機体説
租税根拠論、租税負担論
社会を分析する2つのアプローチ
還元主義→方法論的個人主義 ミクロ
全体主義→構造主義 マクロ
原子アトム
より良い租税をデザインするために
- 財政の3機能は主に支出を通して実現する。
- 租税のデザインは、資源配分や所得分配に直接影響を与えるが、支出による効果と比べるとかなり小さい。
- 税収が多ければ支出も多くなる。
・公平性を確保して、より多い税収をあげることが重要。
租税根拠学説→租税負担原則
ふたつの公平性の基準
・垂直的公平性
→異なる負担能力には異なる租税負担
・水平的公平性
→同じ負担能力には同じ租税負担
租税原則論
- 財政の大原則:量出制入
- 支出と収入を分けてデザインする
- 租税のデザインで重要なこと:租税原則
- 公平・中立・簡素