炭素税
「環境か?経済か?両立?」という文言。環境経済学的にはどう考えるべき?
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環育経済学からしても、この点は統一的な見解はない。急進的環境経済学者は、環境を前提とした経済開発であると考える。たとえば、現代農業は本質的には環境収奪的。環境保全を前提とした農業というならば、いまの生産量は維持できないでしょう。そうするとこの立場を買くと、生活レベルを落とせという主張になる。
しかしそれは社会に受け入れられないので、多くの学者は(短期的には)環境と経済の両立を図りるべきだと考えていると思う。
課税と補助金とではどちらの方が望ましいか?
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短期的には同じ効果だが、長期的には課税の方が望ましいでしょう。なぜなら。課税による費用負担を嫌って、企業はより環境にやさしい技術を開発・採用すると期待されますが、補助金の場合は現在の技術を使い続けてしまうからです。新しい技術開発のために補助金をだす場合は、補助金も有益になりえます。
世界人口の増加
現代経済学の創設者 マーシャル
環境経済学の創設者 ピグー
ロナルド・コースの業績
・経済学における取引費用の重要性と権利制度の重要性を主張し、1991年にノーベル経済学賞受賞
- 当事者間の自発的交渉の枠組みにおいて、誰がどのような内容の権利を持っているのか、という権利制度がとても重要になる
- 取引費用がゼロであれば、どちらが権利を持っていても同じ経済結果をもたらすことをコースは論証→「コースの定理」として認知
- コース自身は、取引費用が正の世界こそ現実であり、コースの定理の論証はその世界を分析するための最初の一歩という認識
ロナルド・コースの発想
・コースは、できるだけ政府に頼らない自由主義が基盤
・コースはピグーが嫌い→外部性論が素朴に想定した負の外部性の内部化のための政府介入を否定しようとした
・そのため、当事者間の自発的交渉による問題解決の可能性を理論的に提示
(権利)制度とは何か
・コースの研究成果から、そもそも制度とは何かというテーマの重要性が認識された
制度 ⇆ 個人
電車で先に乗った人がなぜ座ることができるの?
所得順や年齢順ではどう?
取引費用とはなにか
- 取引費用概念は現代経済学においてとても重要な概念。コース自身は、当事者間の自発的交渉にまつわる費用とゆるやかに定義
- (価格に含まれない)交渉における埋もれた費用を見える化しようとした
- 政府活動費用を(政治的)取引費用とみなす人もいる。取引費用の範囲をめぐってはいまも論争中
環境問題への応用
・当事者間の自発的交渉でうまくいくなら、環境政策は必要なくなるのでは。
逆に言うと、なぜ国内外の環境政策は現実に存在し、つくられているのか。しかも、その多くはOOするな(2020年7月1日からのレジ袋有料化の義務化)という命令が含まれているのはなぜなのか。
「成長の限界」では資源の枯渇や環境汚染によって,成長は限界に達するという予測をしている。
「成長の限界」への批判
1.技術の発展を考慮していない
→石油や石炭をさらに採掘できる技術が出来た
2、市場の価格による資源配分のメカニズム(受益者負担の原則)を考慮していない →資源が足りなくなれば高い価格で取引され,家計による利用の節約が進む
3. 環境汚染は政府による規制が可能
4、生活の質の向上で,環境への意識が高まる
- 環境評価の一つには顕示選好法がある
- 顕示選好法は,環境が人々の行動に及ぼす影響を観察することで環境の価値を間接的に評価するものである。
- 表明選好法ー環境の価値を人々に直接尋ねる方法である.
- 顕示選好法の主な手法のうち,
- トラベルコスト法は訪問地までの旅費などの情報によって訪問価値を評価する手法
- 留意点1.時間の機会費用なども考慮しなければならない
- 留意点2.代替地の影響を考える必要がある.
- シングル・サイトモデルからマルチサイト・モデルへ
- 適用範囲:リクリエーション価値なので,誰も訪れない場所や生態系などは評価できない
環境評価の難しさ
環境は市場で売買(取引)されていないので,価格がわからない!
環境の価値と利用形態
利用価値ー直接的利用価値、間接的利用価値、オプション価値
非利用価値ーオプション価値、遺産価値、存在価値
「環境はタダでは守れない。一方で、環境を守っても企業の利益にはならない。このような市場経済のしくみでは環境が適正に評価されず、いわば環境はタダとして扱われ、環境破壊が深刻化してしまう。
つまり、環境問題が生じる背景には、利益優先の市場経済のしくみが存在するのである。」
規制政策への応用
- 規制にも社会的費用がかかるが、それが目に見えにくいので,非効率な政策が採用されやすくなる
例 環境規制(感情的な反応)や安全規制 - 人命を救うための社会的費用には差がある
・より多くの人命を効率的に救うべきであるという考え方が重要
費用便益分析
- 環境対策の政策をしてよいのか否かの判断
→政策を実行することによる便益>費用ならばしてもよい - 政策の提案がいくつもあるときはどうするか?
→純利益(純利得)=便益一費用 >0となる政策案を選ぶべき
環境を金銭的に評価しないと便益がわからない
リスク管理において、重要なのは「いかに最小限に抑えることができるか、0にできるか」ではありません。「いかにリスクを望む水準にコントロールするか」です。
というのも、特に金融においてリスクはリターンと表裏一体であり、リスクをある程度許容して、リターンを求めていくことが極めて重要であるから。リターンだけでなく、リスクだけでなく、リスクとリターンのバランスを考慮した意思決定が重要となる
金融不安定性仮説
Minskyという経済学者が提唱した仮説で、「資本主義経済に内在する複雑な金融構造が景気循環を引き起こす」と考える仮説
金融が資本主義を不安定にさせている、との理解でそんなに間違ってはいませんが、現代資本主義において、高度に発達した金融構造はその前提条件ともいえる必須の構造である以上、資本主義経済自体が本質的に景気循環を繰り返す性質を持っている、と考える考え方。
ただし、一般に景気循環は、実体経済におけるショック、金融部門のショック、政策的な失敗など様々な要因の複合的な結果であると考えられ、特定の危機や不況を、純粋に金融部門に起因するものである、とする考え方は必ずしも主流ではない点には注意して。
「告白してきた相手を受け入れるかどうかの意思決定」は以下のルールに従う
魅力度と比較し、カットオフライン(理想の高さ)が大なりなら、相手を拒否して次の相手を待つ
小なりイコール魅力度なら相手を受け入れる
少子化の最大の原因は未婚化にある
目先の気楽な独身生活を優先させて恋人 探しを先送りしている未婚者が少なからずいる
恋愛を先送りしており, かつ,現在偏重型の者は,先送りしていることを自覚させられることにより恋愛においてより 積極的になるという結果が得られた。これらの結果は,恋愛の先送り行動に関するさらなる研 究の必要性を示唆
結婚は将来への不安やリスクの軽減する装置であると考えられており、 危険回避のため結婚意欲が高まることが推測される。また自身の経済状況によって時間割 引率が結婚に及ぼす効果が異なることから、現在の生活の満足度の差異が結婚意欲に影響 を与える
危険回避的であるほど、結婚のタイミングが早くなる
魚の経済学
MSY理論