講義資料
皆さん、こんにちは。経済学概論の講義です。10回目の講義となりました。本日も行動経済学を取り上げます。キーワードはプロスペクト理論とナッジです。先回よりかは勉強しやすいかと思います。
プロスペクト理論は別名、損失回避の法則です。簡単に言うと損失を避けたがる傾向にある、ということです。それだけでも頭の片隅に入れておいてください。しかし、本講義ではより詳しく取り上げたいので、興味があれば是非、追求していただければと思います。
プロスペクト理論の重要な3つの特徴
①参照依存性
②損失回避
③感応度逓減
これらを価値関数として一つのグラフに描ける!!
参照点とは、基準となる水準のことです。何かと何を比べて、その変化で人は考えますので、その「何か」のことです。例えば、今年の年収に対しての評価は去年の年収との比較で決まります。このとき、参照点は去年の年収となります。
なお、参照点は未来のことについても含めることができます。例えば、お年玉を10000円もらえると思っていたが、実際には5000円だとしたら、残念…😭ですよね。
参照点についての問題点としては、その人はどう考え、どういったものを参照点としているか?です。例えば、AさんとBさんのボーナスが同額で10000円上昇したとします。以前よりも上昇したので、両者は満足!のはずですよね。しかし、Bさんは、ボーナスを20000円だと期待(=予想)、見積もっていたとしたら、10000円はガッカリです。こういうことです。
損失回避性とは、同じ金額なら利得よりも損失の方がインパクトが大きいことで、損失に2倍〜2.5倍反応します。つまり、同じ10000円でも、もらうのと失うのとでは訳が違うということです。10000円を得る喜びを10000の効用で表すとするならば、10000円失ったときの損失は2倍程度なので、20000の不効用となるということです。
利益を追い求めるよりも、損失を避ける方を優先
感応度逓減性とは、値が大きくなるほど、反応しなくなることを言います。例えば、0から10000なら嬉しさは大きいですが、10000000から10010000ならそこまでは嬉しさの幅は大きくならないということです。つまり、慣れてしまうということですね。
感応度=感じ方
これら3つの性質を一つのグラフとして表すことができます。このグラフのことを価値関数と言います。S字のような形をしていますが、損失の方が大きいので、やや形が歪んでいます。
プロスペクト理論の欠点
1 参照点選択の困難さ
2 後悔の無視
参照点はどこにあるか?
主観的なもの
他人には分からない
期待、未来
好きなものには高い価値を感じる
好きじゃないものには低い価値を感じる
悲しみは喜びの2.5倍
損失回避倍率2.5倍
保有効果
保有しているモノを手放すとき、損失回避効果が働く
時間整合性
選好
利己性
合理性
恐怖と安心
ヒューマンの脳は悪い情報に注意を向けるように設計されている
良いものの中にたった1つ悪いものがあるとそれだけで全部嫌に見える。逆に、悪いものの中に1つ良いものがあってもそれは良い情報にはならない
人間に限らず動物の脳には悪い情報を優先的に処理するメカニズムが組み込まれている。←生物の本能
自己を防衛する生命の進化
良い情報、悪い情報
様々な経験を通して良い悪いの情報はシステム1に蓄積
回避すべき悪い情報か否かの判断を行うのはシステム1。ひとたび誤った判断基準が確立されてしまうと意識的に修正することは困難
公正と参照点
公正、不公正
損失回避により、○○の減少は受け入れ難い=不公正
損失は生じないので受け入れられる=公正
損失回避により、ヒューマンは損失を絶対拒否するが、利益追及についてはそこまでこだわらない
ヒューマンは、損失をもたらす行為=不公正だと判断する。そのように考えている傾向がある
不公正と復讐
ヒューマンは不公正だとみなされる行為を行った主体に対し、復讐しようとする
が、エコンは無益な復讐をしない
不正を行うか否かの決定要因
○エコンの世界では、不正の利益と損失。不正に行う利益が損失を上回っていれば不正を行う。
○ヒューマンの世界では、不正の利益と損失、復讐のリスク。不正の利益と損失に加え、復讐のリスクもある。ヒューマンにとって、不正だと感じる行為を行うと復讐されてしまう可能性がある
ヒューマンの世界は、エコンの世界よりも重大な不正が起こりにくい。重大な不正が起こりにくいという効果も実はある。
ただし、損失を生じないような小さな不正はかえって増加する。ちょっとしたズル。人を傷つけないようなちょっとしたズル
参照点が異なるので、公正、不公正の判断も異なる
子どもの頃、幼少期に社会生活を行うことがとても大事
ミクロ経済学の基本原則
限界生産力=給料(賃金)
→最も社会的に望ましい
経済学における効率性
効率性とリアルな人間が考える公平さとは異なる
価格(P)=限界費用(MC)
完全競争の仮定の下、商品のPとMCを一致させている状態が社会的に望ましい
無差別曲線
同じ無差別曲線上のすべての点は同等に好ましい
所得と休暇の無差別曲線
無差別曲線に足りないもの
1 参照点
2 損失回避
数と確率
ヒューマンは確率情報よりも数の情報を重視することがある
小さな確率を正確に捉えることが苦手
数の情報=思い浮かびやすい、イメージしやすい
確率の情報=思い浮かびにくい
確率の情報を数の情報に換算するためには計算が必要
利用可能性ヒューリスティックにより、イメージしやすい数の情報を利用し、意思決定を行う
ヒューマンが行う数々の誤った予測、期待
数の情報と確率の情報を人間の直感は正しく認識できない!
確率情報←忘れてしまう、無視してしまう
統計的な確率
頭の中に思い浮かびやすいものほど、確率が高いと勘違いしてしまう ヒューリスティック
→利用可能性ヒューリスティック
記述確率
稀な事象が過大評価
数字通りの確率を正しく受け止められない
経験確率
少数の法則に影響
極端なケースを信頼
自分が何度か試行して、何度も挑戦して経験したその自らの経験から確率を推測
高い確率は過小に、低い確率は過大評価
自分の経験に基づいて判断→少数の法則
世界中のすべての人間の過去現在未来のありとあらゆる経験に比べれば私の経験はほんのわずか。統計的に言えば0に近いくらいほんのわずかな分量
ヒューマン
物事を小さなフレームで切り取って考えがち
エコン
広いフレームを持っており、最も利得の高い選択に辿り着くことができる
フレーミング
写真の“フレーム”
写真のフレームの中にどれだけのものを入れるか
総合的に
広いフレームで考える
たくさんのものを1つのフレームの中に入れるか、それともちょこっとだけを1つのフレームの中に入れるかの問題
○経験効用
今現在、その瞬間に
経験している
今まさに経験しているなら、継続時間が重要
○決定効用
今現在経験していることではなく、イメージして決断、考えたとき
経験することに対して
過去に経験したことを振り返り、記憶の中から探り出したときの自分自身の効用=記憶の効用
エコンは経験効用と決定効用が必ず一致
ヒューマンは、参照点をどこにとるかにより効用が変わる。確率の評価を正しくすることができない
ピーク・エンド法則
ピーク時の痛みと終了時の痛みが苦痛の総量に影響
持続時間の無視ー苦痛がどれほど続いたかの時間は記憶の中で曖昧になってしまう
時間は苦痛の総量に影響を与えない
→経験する自己と記憶する自己は利害が異なる
ピーク時にどうだったか?
最後がどうだったか?
記憶の中では継続時間が曖昧になってしまう。あるいは、無視されてしまう傾向がある
2つの自己
記憶の置き換え
記憶する自己は経験する自己を上書きする
経験時に感じる効用とあとで振り返ったときの記憶の中での効用は一致しない
人生の評価
幸せな時間の長さではなく、
最後に幸せだったかどうか。
ヒューマンは記憶する自己に基づき評価
決定効用=記憶する自己が評価
経験効用=経験する自己が評価
ヒューマンがある物事を行うか否かの決定は記憶する自己が行う
しかしその物事を実際に経験するのは経験する自己
ヒューマンにとって、決定効用と経験効用はイコールではない
記憶する自己が決定効用に基づき行った決断が経験する自己にとって最適ではない場合がある
経験効用と記憶の効用は一致しない
経験効用と決定効用がうまく合わない理由
利用可能性ヒューリスティック、焦点錯覚
一日再構築法
U指数ー一日のうち、不快な気分で過ごす時間の割合
被験者のうち、約半数はU指数=0、一方でごく少数だが一日の大半を不快な気分で過ごす被験者もいる
人口のごく一部が苦悩の大半を引き受けている
→経験効用の不平等
★不平等
○金銭的なー裕福な人と貧しい人
←考えがち
●効用の不平等
苦悩、苦痛、幸せ、幸福の不平等
国の経済政策がその一部の貧困にあえいでいる人のみをターゲットにして良いわけでない
エコン
たった一つの唯一の一貫性のある効用関数を持っている
経済学は選択の学問
効用の高いものをよいものとして人々は選ぶ→経済学の基本原則
焦点錯覚ー焦点を間違えてしまう!
あることを考えているとき、人生においてそのこと以上に重要なことは存在しないという状態に陥っている
例 家の購入を考えているとき、家が人生の良し悪しを決めてしまうと思い込んでいる
→そんなことはないのだが
幸福度を正しく知ることはとても難しい
幸福にも不幸にも慣れる
結婚→幸福度上昇
結婚してから数年後→幸福度下落
結婚という幸福に慣れ、幸福度が元に戻った
離婚
離婚という不幸に慣れ、幸福度が元に戻った
記憶する自己の効用は幸福にも不幸にも慣れて元に戻る
二つのシステム
◾️自動的に働くシステム1
直感的、短時間
バイアスをもつ
ヒューリスティックを引き起こす
★直感的判断は、バイアスを持ち,ヒューリスティックを引き起こす。ゆえに、統計的推論と直感的判断が一致しない
◾️努力を要するシステム2
エネルギー、時間を要する
怠け者
2つのシステムのかかわりあいで私たちの日頃の意思決定はなされる
その大部分を占めるのが直感的な判断をするシステム1
現実の人間
エコンではなく、ヒューマンに近いと考えられる
ヒューマンはときに間違った決断をする
間違いを正す手助けが必要。間違いをおかしそうになったときにそれを正す手助け
過剰な手助けは個人の自由を侵害
小さな政府、見えざる手
経済政策として大切なのは↓
個人の自由を尊重しながら、ヒューマンの心理的バイアスを取り除くような手助けが必要
そういった手助け、介入の方法↓
リバタリアン・パターナリズム(自由主義的干渉)
↓どのように行うか
フレーミング効果などを利用し、ヒューマン自身が良い選択をできるように方向付ける
決して法律、条例、制度により押し付けるのではなく、よりよい選択ができるような本当にちょっとした手助け、見せ方、提示の仕方、説明の仕方を変えることでよりよい選択ができるように手助けをしてあげること
二つの自己
記憶する自己の利益 ≠ 経験する自己の利益
⇒記憶する自己の決断→経験する自己の不利益
ナッジとは
個人の自由を尊重しつつ、残しつつ、選択を誘導する。従来のような、飴と鞭ではなく。
損失回避:2つの動機の<相対的>な強さを表す
利得を手に入れようという動機よりも損失を避けようとする動機の方が強い
このとき、損得の参照点は現状であることが多い。時には、将来の目標が参照点になることもある。目標を達成できなければ損失、目標を上回れば利得
否定的な出来事の方が強く受け止められるゆえ、2つの動機の強さは同じではない。目標に届かない失敗を避けようとする動機の方が、目標を超えたいという願望よりもはるかに強く働く
決定加重
数学的期待値
見通し、期待、予測
〇確率
心理的期待値→特徴:確実性効果、可能性効果
心理的期待値≠数学的期待値
確率加重
実際の確率(%) 0 1 2 5 10 20 50 80 90 95 98 99 100
心理的確率 0 5.5 8.1 13.2 18.6 26.1 42.1 60.1 71.2 79.3 87.1 91.2 100
確率が0~40%あたりでは、心理的確率は実際の確率を上回る
40%よりも低い確率は過大に評価する
40%~100%の間、40%よりも高い確率は過少に評価する
数学的期待値
この考え方に基づくと、現在販売されているほとんどのクジ(宝くじ、ロトなど)は誰も買わないことになる
クジの当選金額の期待値<クジの販売金額
宝くじ1枚300円 当選金額の期待は200いくらか
確実性効果
実際の確率が100%よりわずかに下がると、心理的確率評価が大幅に下がる
ヒューマンは確実性を好む
確実だったことがわずかに不確実になる→大きな心理的ダメージ
可能性効果
実際の確率が0%からわずかに上がると、心理的確率が大幅に上がる
ヒューマンはわずかな確率を過大評価する
確率0=起こりえない
わずかな確率=希望が生まれる!
目標と参照点
利得と損失は参照点との差で定義される
損失回避性により、
目標を達成する動機>目標を上回る動機
目標を達成できることがわかると手を抜いてしまう・・・
損失回避による交渉の決裂
相反する利益を持った2者(A,B)による交渉
Aにとっての利益=Bにとっての損失
利益の金額=損失の金額だとすると損失回避性により、
Aにとっての利益の心理的価値<Bにとっての損失の心理的価値
BはAに対して実際の損失以上の補償を要求、Aはそれほどお金をかけて補償するほど利益を得られる取引ではない
→交渉は決裂
AとBの取引が社会的に望ましいものだっとしても損失回避性の存在により交渉が決裂し、社会的に非効率な状況が実現する可能性がある
現状維持バイアス
現状維持=よくも悪くもならない
変化する=損失が生じる可能性
損失回避→現状に留まるインセンティブ
例、結婚生活,職場で安定した状態が維持される理由の1つ
変わらないことが最大の、リスクを取らないことが最大のリスクだ!
確率加重関数
縦軸に心理的確率,横軸に実際の確率
0%~40%:心理的確率>実際の確率
40%:心理的確率=実際の確率
40%~100%:心理的確率<実際の確率
プロスペクト理論と期待効用理論とでは、確率と決定加重の関係性が異なる
期待効用理論:確率と決定加重は等しい
プロスペクト理論:確率の変化はそのまま重みづけには反映されない
結果が感情に訴える場合には金銭的損得の場合に比べ、確率感応度が大幅に低下
メンタル・アカウンティング=心理会計。お金を分類して管理すること。お金を分類、お金に色を付ける。後悔の感情とも強く関わってくる。私たちのリスク判断にも影響を与える
財産の仕訳:物理的な勘定(=普通預金,定期預金,保険,投資などの分類)による仕分けもあれば、頭の中だけの勘定、帳簿(=心理的勘定)による仕分けもある。
ヒューマンは頭の中でお金の仕訳をしている!!
お金を別々の勘定に仕訳
家計の予算を決めておく、無駄な出費を減らす、ジムに通う時間を増やすといったセルフコントロールのために活用される
合理的経済主体モデルに登場するエコンはメンタルアカウンティングとは無縁
エコンは何事も総合的な判断し、外部のインセンティブも考慮
普通の人であるヒューマン(←リアルな人間)にとって別々の勘定に仕訳するのは一種の<狭いフレーミング(・・・個別の会計)>。限られた思考力で管理できる範囲に考慮の対象を制限
趣味には1か月5000円しか使わないなど・・・
自分の中で決め事、自分のルールとして頭の中だけで勘定を作っている場合もある
勘定:お金を数える、仕訳する
⇔気持ちの「感情」ではない
心理的勘定
過去の支出という項目が存在
私たちのこれからの判断、選択に過去の支出が影響してしまう
どちらも同じ1万円なのに、使用目的の1万円は使いやすく貯金目的の1万円は使いづらい
お金を支払った、失った、盗まれた→どの心理的勘定から出ていったお金なのかにより気持ちが変わってくる
当たり前
経済理論が想定する合理的人間=エコン
利益の最大化を考える
お金の分類はしない
すべて総合的に考える
今現在持っているお金だけではなくこれから将来手に入れるお金、支払うお金すべてを総合的に管理=広いフレーミング
広いフレーミングで考えれば最も高い利益を得ることができる
広いフレーミングで物事を考える
お金を分類すること、リスクを分類すること:結局いずれも、狭いフレーミング
サンクコスト
すでに失ったお金でどうあっても取り戻すことができない支払い
これから私が何をしようと取り戻すことができないお金なのであれば、これから私が何をするかという選択に影響を与えるべきでない、何をしようと変わらないゆえ
宝くじに当選=>盗まれる
長年の貯金を盗まれたときに比べ、そこまでひどいな・・・、かわいそうだな・・・と思わない
でどころ!!
どの心理会計に入っていたかにより後悔、感情、後悔の大きさ、ひどいな・・・、かわいそうだな・・・という感情に違いが生じてしまう
確率評価における心理
テロのリスク
〇実際の確率
テロに巻き込まれる確率<交通事故に遭う確率
〇心理的評価
テロに巻き込まれる確率>交通事故に遭う確率
★利用可能性ヒューリスティックスが原因
システム1:テロの犠牲者やテロ現場のイメージを思い浮かびやすい
システム2:実際にテロが起きる確率は低いことを知っている
システム1が引き起こす恐怖心がシステム2の冷静な判断を支配する
テロ発生の多い地域でさえ、交通事故の発生の方が多い
感情と確率
A市ではテロの確率が6割、B市では3割だとする。このとき、B市民はA市民よりも安心できるか?B市でテロに巻き込まれる確率はA市の半分なので、B市民の恐怖心はA市民より半減するか?
=>B市民の恐怖心はA市民の半分にはならない
宝くじの確率
宝くじを1枚持っている人のワクワク感は宝くじを2枚持っている人のワクワク感の半分か?
=>当選確率は半分だが、当選を楽しみにする感情は半分ではない
★感情は確率に比例しない★
恐怖心と確率
恐怖心は確率に比例しないどころか、基本的には確率とは無関係
確率感応度(=確率の変化に対する心理的感応度)が低い
例:電気ショックの恐怖
電気ショックが発生する確率を変えても、被験者の心拍数などは変わらない
恐怖心と確率の関係
確率=0 : 恐怖心ゼロ
確率>0 : 確率とは無関係に恐怖を感じる
感情負荷的心象が確立に対する反応を上回るため
怖いことを経験する可能性がごくわずかにあるだけで、すっかり恐怖を来す
選好の逆転
単独評価と並列評価の不一致
選好・・・好きなもの、選ぶもの,優先順位
優先順位が時と場合により逆転してしまう、変わってしまうという現象
状況により
タイミング、順番などを変えるだけで
補償金の査定
状況により回答が変わってしまうことは非常に不適切
事故、事件の補償金額
被害そのものは同じなわけゆえ、AとBの査定金額は同じであるべき
比較
どちらの店で撃たれたかにより補償金に差をつけるべきだろうか?
アメリカは陪審員制度、日本は裁判員
不当な選好逆転
選好逆転←フレーミング効果の一種
〇単独評価
別々に
Aだけ評価、Bだけ評価
〇並列評価
AとBを並べ、比較して評価
陪審員を単独評価するグループと並列評価するグループに分ける
実際の司法制度では単独評価が取り入れられている!
フレームを広くすれば広くするぼど合理的な意思決定になる!
フレーミング:物事のフレーム、どういった側面からみるか、どこを切り取るか、どこまでの範囲を切り取るかといったフレーミング
フレーミング効果
問題の提示の仕方が、考えや選好に不合理な影響を及ぼす現象
どのフレームで物事を切り取るかにより考え方、選好、好き嫌い、優先順位が変わってしまう=>不合理
切り取り方
言い方を変える
フレームと客観的事実
ヒューマンはエコンのように合理的になれない
AとBはまったく同じ
エコンの意思決定:AをするならBも買うし、AをしないならBも買わない
エコン=合理的経済学に基づいて判断できる人間
ヒューマンの意思決定:Aはしないが、Bは買う
ヒューマン=リアルな人間 結構いる
フレーミング効果とリスク選択
オプトアウト政策
デフォルト
元々 臓器提供するという状態をデフォルト
貯蓄プランに入っているという状態をデフォルトにして
個人の自由を損なうことなく! ←大事
いくら社会的に望ましいと言っても、臓器を提供したくない人に無理矢理させてはいけない
貯蓄したくない人に無理矢理させてはいけない
個人の自由を損ねてはいけない!
結果は同じだが言い方が違う 物事
言い方が違うだけで人々の判断も利得面から記述されればリスク回避的な選択をし、損失面から記述されればリスク追求的な選択をして人々の選択が変わってしまう。フレーミング効果により
これもある意味恐ろしい現象
臓器を提供しない意思のある人は署名してくださいと書くと臓器提供者が非常に増える
貯蓄プランをやめたい人は手続きをしてくださいと書いた場合の方が貯蓄プランに加入する人が非常に増える
社会的に望ましい状態を実現するためにはそこに、イン、手続きをして入らなければいけない
社会的に望ましい状態を作っておいて嫌な人はそこから出ていくアウトするという状態を作る
プラス面からの記述
マイナス面からの記述
プラス面→利得の選択→リスク回避的
マイナス面→損失の選択→リスク追求的
人が助かるという部分を参照点にするのか、人が死ぬという部分を参照点にするのか
それにより物事の見方が変わってしまう
判断も変わる
ポジティブに書いた方が良い印象を与える
イメージ悪い ×
負の強化:嫌悪的な事態からの逃避・回避によって維持された行動
の結果 JR西日本