コストコは「店舗から半径10kmの商圏人口が50万人」という出店条件がクリアできなければ出店はしない。
そのためお隣の長野県や静岡県(半径100km)まで商圏に見込み、「リニアモーターカーができれば人口も増える」などと出店理由に特例を認めた「COSTCO」がいよいよ山梨県南アルプス市に4月オープンする。
店ができる「南アルプス市」という奇妙な名前の街も、これまでは桃やさくらんぼの果樹地域だったが、開店後はたくさんの買い物客が訪れることだろう。
交通渋滞による日常生活への影響を心配する声もあるが、コストコ開店への期待感が全てを打ち消してしまう。それほど消費者は期待してるということである。
☝️『みんなの幸せのためなら、少数の犠牲は仕方ない』→学校じゃ教わらなかったことだ。
同敷地には地元のテナント棟が半年も前に開業済みで、コストコの開業以降はより多くのお客さんが来ることを見込んでいる。その他来店客の「交流エリア」や「イベントエリア」も用意されている。(どこにもあるが「交流」している様子はない…)
地元メディアも「コストコ関係」のネタはCMも含めてビジネスに繋がるのだろう。出店計画の時点から頻繁に報道してきたが、あるメディアの関連会社が誘致に動いたことも無関係ではあるまい。まあ、田舎に限らずよくある話である。
☝️地元唯一の地方紙が「コストコ開業まで2か月」と題して、関係者のコメントを載せていた。
そこに書かれていたのは…
👤地元行政関係者
「これまで観光客が来るのは富士山周辺が多かったが、これからは我が市にフルーツ観光や山岳観光に訪れる客が増えることだろう」
👤同じエリアのショッピングモール関係者(早い話「イオン」)
「オープンしてみないとどの程度影響が出るか分からない。低価格化で販売する食料品は競合する可能性があると考える」
👤県内大手スーパー関係者
「同じ小売ではあるが、大量販売するコストコとは業態が異なる。どの材料を購入すればどんな料理ができるかを提案するなどサービスを充実させたい」と差別化を図る。
👤甲府商工会議所専務理事
「郊外型の商業施設は出尽くした感があり、(少し離れた)甲府市中心街への影響は限定的。ただし地元スーパーにとっては脅威になるのではないか?」
こんな感じである。
もちろんこの関係者が予想するように、県外から観光客がたくさん訪れ、地元小売業もコストコと「共存共栄」して、県都甲府市の商業への影響もなければみんながHAPPYだろう。
👤しかし性格がひねくれている私には、その光景が見えないのである。
☝️これらのコメント通りになるのは、なにより足元の人口がある地域に限ったことである。
①商圏のスーパーでの年間支出が1,200億円なのに、コストコは最低200億円分ぶん取っていくのだ。県外からそんなにコストコ目当てで客が来るわけもない。
②コストコに買い物に来た客が、近くの観光農園に寄って行くか?「交流エリア」で交流していくか?
③コストコ開業前でも振るわなかった地元テナントは、コストコが開店すれば一気に売り上げが増えるのか?
④「コストコとは業態が違うから地元スーパーへの影響は少ない?差別化とかサービスって具体的には何?」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
あまのじゃくの私が言うことは、コストコ開店に水を差すことかも知れないm(_ _)m
👥新聞やテレビの経済記者の皆さん。
「コストコが出てあなたの会社は大丈夫ですか?」
これを店の店長や本社の広報、市役所の担当者でなく、地元商店の『社長』に聞いてみてくださいよ!
☝️私なら正直に答えます。
『コストコが出れば業態など関係なく根こそぎ売り上げを奪われます。「共存共栄」などあり得ませんからテナントの売り上げも増えません。そして県外からの来店客はコストコで買い物した後はすぐ家に帰るので、地域経済へ波及などしません。地元メディア小売業は少し離れた甲府市も含めて「終わりの始まり」です。私なら怖くて夜も眠れません』
👤今ではオワコンの私に取材も来ませんが(笑)
#祝コストコ開業