私が大赤字だった家業のスーパーマーケットを引き継ぎ、何とか普通にやっていける状況に戻った頃、「これから何をすればいいのだろう?」と悩んでいた。
👤これからは環境問題に取り組まないと!
誰からの進言かも忘れたが、「金儲けだけじゃなくて、スーパーだってそういうこともしなきゃならない時代になるよな…」今からもう20年も前の話である。
スーパーの店先に「生ゴミ処理機」を置いて、家庭のゴミをそこに捨ててもらう。そしてゴミからできた肥料で野菜を作って、それをまたスーパーで売る。
それだけではなく、ゴミを持ち込んでくれたお客さんに一回5円分のポイントを与えて買い物にも使える。名付けて『家庭の生ゴミ仕入れますプロジェクト』
規模も小さく、資金に余裕もない田舎のスーパーにとって、そのシステムの導入費用(一台750万円)は大きなものだった。
普通なら補助金を貰って、メディアにも大々的に「環境に優しいスーパーです!」と宣伝したことだろう。しかし私にはそんな力もなかった。
機械を入れたメーカーのニュースリリースで、「日経MJ」という新聞の片隅に取り上げられたことだけでも嬉しかったことを覚えている。
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そんなある日、何人もの知り合いから私の携帯に連絡があった。
👤「おい、小林!フジテレビの『とくダネ』でお前の店のことをやってるぞ!」
なんのことだか分からなかった私は、後になって録画を見せてもらい、ことの重大さに気づくことになった。
☝️朝のワイドショー「とくダネ」のオープニングトークでMCの小倉智昭氏が、私が始めたこの「家庭生ゴミの循環システム」の記事を解説しながら、「上手いことを考えるもんだよね〜、それに『やまと』って言う店名も良いよね!(意訳)」と褒めちぎってくれたのだ(@_@)
テレビ局から事前に連絡などなく、まさに青天の霹靂(へきれき)とはこういうことだと思った。
全国テレビの影響力はあまりに大きかった。
その後は全国から見学が相次ぎ(100件以上)、地域の学校の社会実習は大手のスーパーから小さな私の店に変更となった。
担当者もいなかったので、見学や取材の対応は全て私(笑)
一年以上休みも取れない状況になり、終いには総務省から「地域経済賞(エコロジー賞)」を受賞するまでになった。
それから私はスーパーとして出来るSDGsを推進し、「レジ袋有料化」や「食品トレーの削減」「破綻スーパーの再生」など地域に根差した経営を始めたのであった。
そして「早過ぎたSDGs」に繋がり、店は無くなり、現在に至っている(^^; 〜まあそれも人生。
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小倉さん、貴方のおかげで田舎のスーパーは全国区となり、それまで無関心だったスーパーが、少しだけでも環境問題に目を向けるキッカケを作ることができました。
音楽好きの貴方をよく武道館でお見かけしましたが、お礼を言う勇気がなくて心の中で手を合わせていました。
ありがとうございました!
ご冥福をお祈りします🙏🏻