【信用不安の怖さ〜スーパーマーケット編】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→最年少山梨県教育委員長→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は全国の経営者に寄り添う日々



あのスーパー、なんかヤバいらしいよ!最近激安チラシで現金を集めてるし、業者への支払いも相当ケチるらしい。従業員も役職者がポロポロ辞めてくし、社長も会社にいないことが多い。悪い噂も飛び交ってる。火の無いところに煙は立たない、きっとそろそろ…。

👤よくある話。実際には⬇️⬇️⬇️であっても

・今月の売り上げは予定を上回ってるから、月末にお客さんに「利益還元」しよう!

・「利は元にあり」1円でも安く仕入れることが、お客さんや会社に利益をもたらす!必要以上の値引き交渉は商道徳に反するが、ムダな経費ならどんなにケチくさくても心を鬼にして削減する!

・会社のレベルが上がってくると、それまでただ長く居ただけの社員は居場所がなくなる。個人のための居心地の良い環境など要らない。退社もやむなし!転職後の同業者に有ること無いこと言うのは承知の上。

・社長が365日会社にいて、店舗や売り場を疑いの目で見ている会社が理想ならウチは違う!(一日たりとも会社を空けた日は無いが)

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✅そこで、経営改善中で手持ちキャッシュがキツキツだった弊社に対して

・取引先や帝国データバンクが頻繁に訪れ

・支払い条件(上限金額・サイトの短縮)を見直され

・現金払いでないと「取引終了」にされ

・取引の保証金を「仕入れの2ヶ月分」要求され

・労基署の立ち入り調査が入り(もちろん指摘事項無し)

・会社が契約しているガソリンスタンドから「潰れると聞いたから今後は現金で🙏🏻』と見下され

・(社内不正で)解雇した幹部社員に悪い噂を流布され

・仕入れが制限されることで売り場が貧弱になって売り上げが落ち

・銀行に返済出来なくなって「リスケ」を飲んでもらい

・頑張って業績が回復したものの、メインの取引先が売掛金の回収を急ぐために取引の正常化に応じず

・ほぼ回収するのを待って、「日繰り資金繰り表」で手持ち資金が尽きる日に納品停止で倒産。(黒字倒産)


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これはあくまでも私の勝手な解釈で、相手側にしてみれば何倍も言いたいことがあるだろうし、それで良いと思う。

あらゆる状況を想定し事前に対処する。そもそも信用不安を起こす様な経営をしてはいけないのだ。その意味で私の考えは全て「負け犬の遠吠え」であり「あとの祭り」「自業自得」と心得ている。

往生際の悪い私は(あくまで私の事情を優先して)この経緯を自著『こうして店は潰れた』に書き記した。

✅目的は「そうじゃない!」と私にクレームを付けさせて、公の場で白黒を付けたかったからである。書評でも訴訟でもいい、キッチリ決着を付けないと、次の人生には移れないと思ったからだ。

本はたくさん売れた。(出版社の破綻で絶版となったが、ほぼ新品の中古本価格は4,000円を超えている)。きっと私に悪者にされて全国や業界に晒された文中の会社にも届いているはず。

👤しかし、これまでに一つもクレームや訴訟の話は無い。私が逆の立場なら、いくら「伏せ字」とは言っても「名誉◯損」とか「営業妨害」で訴える。「ぶっ◯すリスト」?それだけでも私なら許さないw

大企業はケンカしない、既に死んだ会社の野良犬など相手にしない。それでも私はまだ、相手から何かを言ってくるのを期待している。続編でより詳しいその時の状況と仕打ちを書いて世に出したのも相手を煽るためだ。

揉めれば揉めるだけまた本が売れる…。商人の私にとって、売れた本が良い本なのだから。

👤取り急ぎの仲間からの連絡で、私の「リスト」の筆頭にあった名前は、続編の出版後、親会社から解雇されたと聞いた。株主総会で代表取締役の承認を受けた2ヶ月後、体調不良が原因とのこと。知らんけど。