
4.1点/5点
何が起きても起こらなくても、タランティーノ作品の醸し出すハリウッド界隈の日常を眺めるだけでとても楽しい。しかも、そこにディカプリオとブラッド・ピットの友情が流れているのだからたまらない。
落ち目の俳優の葛藤を笑いと哀しみ交えて絶妙なディカプリオと、50代とは思えない鍛え抜かれた肉体で彼を支えるスタントマンを自然体な魅力と危険さを漂わせたブラッド・ピットがやっぱり最高に素晴らしく、彼らの関係性は一つの人間の表裏のようだ。
1969年のシャロン・テイト事件はヒッピー時代の終焉を象徴するあまりにも惨い悲劇をなぜタランティーノは描くのだろうと思っていた。先日、夫だったロマン・ポランスキーのドキュメンタリーであの事件を今まだ消えぬ哀しみを背負い語っていた彼を観ていただけに、今またなぜ、と。でも、見終わって納得した。そこには彼流の愛を感じさせるタランティーノだからこその展開をみせてくれる。
シャロン扮したマーゴット・ロビーの天然キラキラな空気もこれぞカリフォルニアといった陽性を放って素敵だ。そして、威勢のいいアル・パチーノが出ているのも嬉しい。
夢のカリフォルニア、夢のハリウッドの陰と陽。中盤のだらだらと続く劇中劇や会話劇もタランティーノ作品では味わいとして楽しめてしまう、その中で輝きを放つ、子役の美少女はどこでこんなミューズ見つけてきたんだ!という位のインパクトがあり、演技に苦しむディプリオの天使となる。あのシーンも最高だ。
そして、あの事件へとひたひたとカウントダウンに向かうスリル。でも、タランティーノの語り口はどこに物語が進むか予測不可能なハラハラに満ちている。
とにかくどこを取ってもタランティーノ尽くしのハリウッド愛に溢れた作品に乾杯!