4.6点/5点
私にとって、ロビン・ウィリアムズNo.1作品といえばこの作品。「いまを生きる」と「グッド・ウィル・ハンティング」と甲乙つけがたいが、、って、ロビン・ウィリアムズ出演作には素晴らしい作品多い!でも、中でもこの作品は、私にとって使命とは何だろうか?という問いを深く考えるきっかけをくれた大切な作品だ。
ロビン・ウィリアムズ扮するパッチ・アダムスは実在の人物。ユーモアと思いやりに満ち「医者と患者は対等」という目線で献身的に一人一人と向き合うことで、患者の不安を和らげ、治癒力を高める精神科医だ。
彼が医者になろうとするきっかけは、彼自身がウツ病になり、精神病院に入院したことだ。話もろくに聴かない担当医への疑問や、天才病の患者に言われた「人の見ようとしないものを見ろ」との言葉(この言葉が好きだ)や、突然湧いた発想で同室の患者の心を解放したことで、自分自身が人の心を救いたいという気持ちが溢れ出す。これが彼の使命の起点となった。
ロビン・ウィリアムズは、子供の心を持ったまま、大人になったような雰囲気がこのパッチという存在にぴったりだ。30過ぎて医大に入学し、若い医学生達とキャンパスライフを送る姿も愉快。権威主義の学部長に立てつき、大学付属の病院に潜り込んで、笑いによる治療をし始める彼の温かな人間味が溢れ出す。浣腸用の赤いゴムボールを鼻に付け、病に苦しむ子供たちの前でピエロのようにおどけて笑わせるシーンもいい。
彼と真逆な堅物学生をフィリップ・シーモア・ホフマンが演じているのだけど、一人の老女の病状をめぐってパッチと打ち解けるシーンが心に残る。そして、ヒロイン役のモニカ・ポッターがもう可愛すぎ!心深くに痛みを抱えた彼女を癒し、恋に落ち、その後の2人の展開も胸が揺さぶられる。
ルールを超えて患者に向き合う彼の大胆さにドキドキしつつも、彼の行為にはいつも愛と優しさと誠実さに満ちている。心から患者を元気にさせたいという気持ちで一心だ。ほんとこの映画を観てから、流れ作業で目を合わせない私の近所の医者に見せたいものだと常に思っていた笑
後半、彼の使命がカタチとなる丘の上の無料の病院が誕生するシークエンスはワクワクする。まさか、あの人がそのチャンスをくれるとは!そして一方、彼がその後に襲われる悲劇で一度は完全に自身のアイデンティティを見失い、絶望に陥る姿に心が痛む。そんな彼を癒す瞬間に、ひらひらと蝶が飛ぶシーンがあるのだけど、その場面は涙が止まらなかった。
よく使命というと天職と結びつけがちだけど、私は、この映画とパッチを観ていて、使命はその人の人間性や生き方そのものなんじゃないかなと思った。使命=仕事と囚われなくても、自分という人間が生きている中で、日常の中で何がしか無意識にでも、この世界に与えていることがあるのだと思う。愛や人間味が深く伝わってくる彼の命の使い方。彼の仕事はたまたま医者だった。
私たちがどんな仕事についていても、大切な人生の時間、自分の存在を捧げ、周囲の人や関わる多くの人に何かを与えている。与えようとしなくてもきっと誰の存在も、誰かにとって与えや支えになっている。そこにある心の在り方と姿勢そのものが、その人の生き方であり、人間味であり、使命なのではないかな、と思った。何か大きなことを成し遂げたから胸を張って使命なのだ、ということではなく、日々の人とのかかわりの中で、自分の限りある命を使う、その使い方が「使命」として示されるのだと思う。
この映画を観てからだいぶ時間が経ったけど、年を追うごとに人間味の大切さをしみじみ感じる。パッチ・アダムスが成し遂げた偉業以上に、彼の心根の在り方が今も尚、私の心の片隅に優しく居続けている。私も1日1日愛の容量をちょっとずつでも増やしていけたらいいなと思う。最期に人生を振り返って大切に思うことって、そんなことなのではないだろうか。
それを感じられたのは、きっとパッチを演じたロビン・ウィリアムズのあの優しい眼差しのお陰だ。本当に多くの愛と笑いを届けてくれた人だと思う。彼がこの世にもういないことを心から寂しく思う。
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