戦国、幕末の動乱期に悲喜劇を演じた人を描いた短編集。
表題作始め暗く哀しいお話なので、この10年かけて読み直してきた司馬遼太郎作品の最後の方になりました。
8編中4編を。
鬼謀の人
これに収録されていることは完全に忘れてました。
「王城の護衛者」の方で何度も読んでました。
「花神」をじっくり読んだ直後のタイミングで、よいおさらいになりました。
書き始め、桂小五郎に対し
「不思議な人物がいる」
書き終わり、亡くなった描写の後に
神秘的さえある
端的に表されてます
人斬り以蔵
名が残っているだけ良しとするのか悪しとするのか
おお、大砲
これはすっかり忘れてましたが、これは面白かった!
大坂の陣以来の大砲を預かって来た名誉ある大和高取藩。その大砲が幕末天誅組騒動で結局役に立たなかった、というお話でした。
美濃浪人
所郁太郎のお話。
「世に棲む日日」か何かで『井上門多を助けるためだけに存在した』みたいな酷い言われようだった人物として覚えてました。
ここで短編になってたのでした。