多くの人が「コロナ」の文字を見るのも
嫌だと思いますが、
これはそんな方にも自信を持ってお薦めできます
(特にアラフィフ男子)
というか、お薦め頂きました。
自力なら手に取らなかったでしょう。
初読み奥田英朗さん、ドストライクでした。
感謝
1編ずつ書き留めておきたくなる5編の短編集。
1.海の家
出だしから「別居」、「不倫」と
不穏な言葉が並びますが、
なんでしょう、この安心感?心地良さ?
そして分かります、アラフィフ男の
超久しぶりの一人暮らしの開放感
悪妻の悪口を思いっっ切り言ってやろうと
思っていたら、『これぐらいはありかも(笑)』。
しかし、最後のセリフで一っっ気に嫌悪感MAX!
でも、娘が味方なのが救いであり、いいバランス
不思議なタケシ君、表紙絵の星座がピッタリ
2.ファイトクラブ
この先何があるか分かりませんから、
他人事ではない
窓際まで行かなくても、何か全く新しいことに
挑戦する、大事なことですね
3.占い師
主人公は、昔から可愛くてモテモテで
現在彼氏がドラフト1位のプロ野球選手
という20代女子アナ。
占い師「鏡子」。話としては面白い。
全く無縁の世界と思っていたら、
昨日の鎌倉殿の13人「理想の結婚」のラストの
のえ(だから菊地凛子さんなんですね)!
シンクロしてしまいました
私にとっては善児より怖い
4.コロナと潜水服
コロナ禍初期、新米お父さんの奮闘記。
微笑ましい
腹の座ったお母さんが素敵でした。
しかし、「東京の感染者201人」で大騒ぎしていた初期。
明治時代にハレー彗星の尾が通過する時に息を止める
練習をした人を馬鹿にできないなぁとつくづく思います。
5.パンダに乗って
一番のお気に入りになりました。
もう責任を果たした。そう思ったらやけに心が
軽くなり、この先は贅沢だってしてやるのだと
決めたのである。
これめっちゃ分かります。とてつもない開放感と
万能感w
今作のように、何気ない用事で見知らぬ土地を
彷徨うのも楽しそう!
そして、舞台はいつかは行きたい新潟
55歳男の主人公とパンダ(車種です)と富田君が巡る
先々(まさに巡礼)をGoogleマップでたどりました。
楽しかった