原田マハさん、本領発揮の美術小説
表題作のモネの他に、マティス、ドガ、セザンヌ、ゴッホらが見事に描かれた4つの短編集です。
彼らが世に認められる前を、彼らを支えた人達によって語らせます。上手いです。
素人の私でも、映像なり直接なりで観たことがある大巨匠たちです。その絵に感動を覚えたこともあります。
でも、それはその絵だけの、広がりでいえば2次元でしかなかったことが良く分かりました。
こうして小説として彼らの生き様、作画に触れられたことで、時間を含めた4次元で広く観られるような気がしました。
一番良かったのは、「タンギー爺さん」。
ゴッホの絵で知っていましたが、9割以上は背景の浮世絵に関心が行ってました。これからは、しっかり爺さんも観ます(笑、というか涙が出るかも)
後は、ドガとアメリカの関係
刑事コロンボのあの絵はドガである必然があったのかも知れません。
三十六歌仙絵図の一つが小牧のメナード美術館にあるのを知って行こうと思ってました。
そこには、この本の登場人物達の作品も多くあるようなので、またマハさんのお陰で何倍も楽しく鑑賞できそうです