「舟を編む」以来待望の、三浦しをんが描く、人知れずマニアックな世界でまじめに働く人たちの物語
(装丁も「舟を編む」同様とっても素敵です。シロイヌナズナ他ある意味主役な植物達と実験道具が綺麗に配されています)
しかも今回は、私自身がそうであった理系の研究者!
私は化学専攻だったので植物学のことは全然分かりませんが、実験に使う道具・装置、延々と続く実験等々の研究生活は、リアルにイメージできました。というか、久々に思い出しました。
舞台となったT大学の化学の方(Y田講堂の裏手)には行ったこともあります
しかし、しをんさんも調べて行く内に植物とそれを探求する人達に惚れ込んでしまったんでしょうか
本の8割方は研究についての話でしたね。
理解できずともこれが作者の愛情表現と思い、少ししんどかったですが楽しく読み切りました。
一方で、大学教養時代の生物学をまじめに勉強していればちゃんと理解できたかも。目先の役立つ云々ではなく、何でもまじめに学んでおかないといけないという自省も(笑)
シロイヌナズナを見る目が変わりました
是非これも上手く映像化して欲しいです
PS
その教養時代の生物学の先生のことを二十数年振りに思い出しました。
その方は高温環境で生きる植物だったか菌を研究していて、フィールドワークで温泉に出かけるとのことでした。
早く目的となるものを見つけたい思いと、いろいろ温泉を巡りたい思いのジレンマと仰ってました