司馬遼太郎作品の中で、ドラマ化されることもない
マイナーな作品です。
しかし、そのマイナーさ以外にも”縁”があって、
好きな作品です。
今回で3回目になります。
主人公の一人、伊之助さん。
悪魔のような記憶力と言語への異常な執着・・・
最初に読んだ大学時代、
同じような能力を持った同級生が居たのです。
化学の授業中に彼のノートを見ると、
複雑な有機化合物名(2,4-ジメチルアミノ・・・ようなやつ)を
英語、中国語、ラテン語等でびっしりと書いていました
後に、教授陣でさえ彼に化合物の命名法を
教えてもらいに来てました。
医学と化学の違いこそあれ、まさに、この小説の伊之助さんと同じ!
そして、彼も同じく世間には適せず、
卒業後は音信不通になってます。
もう一つ、最初に読んでいる時に
この小説の舞台となる医学所(=東大の前身)等の資料が
東大で公開されるのを聞きつけ、見に行きました。
するとその中にあの髑髏(印象的に描かれ、小説の最期も
この髑髏の話で終ります)がありました
(レプリカだったかも知れません)
と、そんな奇遇があったのを思い出しながら、
読んだのでした
PS
第2巻を東京出張に向かう新幹線に忘れ、
初めて東京駅の忘れものセンターに行きました。
たかが文庫本を親切に対応してくれました
結局見つからず、2巻だけ買い直すはめに。
そんなことで、余計に印象的な作品になってしまった訳です
(写真はなくす前のものですw)