私はこうみえても全国展開するゼネコンの社員であり、れっきとした土木積算技術者なのだ。
 本当に久しぶり、ブログを更新するにあたり職場で聞知った情報をお知らせさせていただこうと思う。
 とはいっても決して機密情報とかではないので、ご安心を。

 東北、ことに宮城県においては現在、復興予算消化の為にたいへん多くの工事が発注されている。
 しかしながら受注された多くの工事が、実質的に手つかずのまま放置されている状況であり、進行中の工事であってもその工程に大幅な遅れを生じているものがほとんどである。
 原因は各種資源の圧倒的な不測にある。
 
・人の不足
 これは当然のことなのだが、復興工事の受注については地元業者が優先されており、技術力その他の理由により他県の業者が受注する際にも、地元業者を下請けとすることを明に暗に求められている。 そして現在の仕事量は、地元建設業界の持つキャパシティーを大幅に超えてしまっている。 技術者、技能者、作業員のすべてが現地において不足している。
 
・機械の不足
 多くの重建設機械が、震災と津波の被害により現地において不足している状況にある。 特に生コン車の不足は深刻であり、発注してもいつ現場に届くかが解らないという状況にある。

・資材の不足
 宮城県においては、生コンの材料である砕石・砂について福島県からの供給にたよっていた。 しかしながら原発事故による放射性物質の堆積により、福島産の材料が使用できなくなり、その確保に汲々としている。

 以上が、東北における復興工事の現実である。
 これまでのやり方にしても、現在、話題になっている“復興予算問題”へのアプローチについても、何処か間違っていると思う。