2014年6月 初夏の韓国ひとり旅 ぶらり大邱編
慶尚北道にある鹿道書院(ノットンソウォン)
朝鮮出兵を命じられた沙也可(さやか)は朝鮮に帰化し 金忠善(キム・チュンソン)となります
日本軍と戦い功績を残した彼は その後この土地で生涯を終えます
金忠善こと沙也可を祀るこの書院は子孫と関係者がずっと守り続けています
沙也可については謎が多いのですが 和歌山県出身と言われています
金忠善が書いた詩や日記を集めた文集
講和書
今 私が帰化しようとするのは知恵が足りないからでもなく 力が足りないからでもなく
勇気がないからでもなく 武器が鋭くないからでもありません (中略)
ただ私の願いは礼儀の国で聖人の民になろうということだけです
述懐書
意中に決断し 下職し 親戚と別れ 7人の兄弟と2人の妻は同時に去ってゆき
寂しさ辛さがないといえば嘘になる
国に不忠 家門に不幸 天地間に罪人とは私以外にありえようか
おそらくこの世に最も醜い者とは私一人のことであろう
南風有感
南風が吹き 故郷の便りを持ってきてくれたか
急いで起きてみたらそれは強風だった
ただ風の音ばかりで姿は見えない
ため息をついて座っているが 故郷の親兄弟や知人の消息は知ることはできない
つらい胸の内を文に書く
家訓
ひとつの徳を磨いて後世に百種の慶事が来るようにし
ひとつの善を行って子孫達が万種の福を受けるようにしなさい
帰化した若い頃は朝鮮で生きる強い意志が感じられますが
晩年は故郷への思いがひしひしと伝わってきます
向陽門が日本に向いているのは そんな理由からかもしれません
つづく
김충선(사야카)는 1642년 72세에 돌아가셨습니다
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