香水史上に残る名香の一つに、フローラル・フローラルの最高傑作【ディオリッシモ】があります。

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1956年発売以来、現在でも変わらない人気を保ち続けるこの香水は、ディオール自身の最後のプロデュース作品となりました。

Issimoとはイタリア語で「もっと」、「とても」という意味。
「とてもディオールらしい」と名付けられたこの名香は、ディオールが【幸運のお守り】として毎年春のコレクションにも気に入って取り入れていた《スズランの花》をテーマとしています。

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清楚で気品のある「草原に咲くスズラン」を表現するため、最小限 の原料で紡ぎだした、たいへん完成された香水です。
ほとんどスズランのシングルフローラルノートと言ってもいいくらい、他の香りはスズランをよりスズランらしく香らせるために組み込まれている感じです。ディオールはこの香りを作り出すために、自宅にスズランを植え、香りの研究をしていたとも言われます。

調香師はエドモン・ルドニッカ。当時、合成香料が出回り始めその香りの強さを抑えるために、次々と甘く濃厚な香りが作り出されてたこの時代、ほとんどフレーバーのような香りに辟易したルドニッカは、香りを最小限に削ることでディオールの描く「若さに溢れて上品ながら、素朴なスズラン」の香りを作り出したのです。単純に、単純にすることで、歴史に残るスズランのシングルノートが出来上がったのですね。

その他の香りとしてはボロニア、イランイラン、アマリリス、ジャスミンなどが溶け合い、サンダルウッドの包容力のあるやさしい香りのラストノートも感じられます。

ディオールは本当にスズランの花を愛しており、葬儀の際にはスズランの花で棺が覆われ、生前に愛した香りに包まれ天に召されていったそうです。



スズランの天然香料は、抽出しても本物の花のような香りが感じられないため、ほぼ作られていません。それでも、スズランらしい清楚な香りをここまで再現したものは当時としては稀有な存在であり、その後の香水業界に新たな可能性を指し示した意味でも、偉大な名香と言われているのでしょう。