「一縷」も「一抹」も、ごくわずかなことを指す言葉ですが、
使い方に差があります。
1.「一抹」とは
「抹」には、塗料や絵の具をハケや鉛筆でなすりつける、すりつけるなどの
意味があります。
従って、「一抹」には、ひとはけ、ひとなすりという原義から、ほんの少し、
ごくわずかなどの意味が派生したと考えられています。
・「一抹の不安」(何となく良くないことが怒るのではと心配になる)
・「一抹の疑い」(いまいち信用できない感じがする)
・「一抹の寂しさ」(少し孤独な思いが身に染みる)などの用法が一般的です。
2.「一縷」と「一抹」
「一縷」は、多くの場合、「望み」・「希望」・「期待」など、
たった少しの可能性であっても前向きであろうとする気持ちが感じられる言葉と
結びつきます。
一方、「一抹」は「不安」・「疑い」・「寂しさ」などネガティブな感情と
結びつくことが多く、「望み」や「希望」といった言葉と結びつくことはないようです。