新年を迎え「今年こそは、一念発起して○○するぞ!」などと、
自分の決意を述べることがあります。
一般に言う「一念発起」は、今までの心を改めて事を
成し遂げようとすること。
つまり、目的を遂行するために覚悟を新たにすることを言います。
一方、仏教で言う「一念発起」は”一念発起菩提心”の略で
「仏に帰命し、法(=仏の教え)に帰命し、僧伽(そうぎゃ)(=僧、仏教修行者)に
帰命する一念を起こし、菩提(=悟り)に向かう
心を発すること」つまり、仏や仏の教えに心から従い、
悟りを求める心を起こすことを言います。
また「一念」は、ひとたび仏の姿を想念すること、ひとたび心を起こすことを
言いますが、この言葉を用いた諺には「一念、岩をも通す」
「一念、天に通ず」などがあります。
これらはともに<あることを成し遂げようと全力を尽くせば、
どんなことでも成就すること>を例えたものです。
ほかにも、一心不乱に打ち込むさまを「一念をこめて」などと言います。