工場勤務の時に、毎年与えられた原価低減活動(原低活動)の中の
ひとつに「歩留まり向上」がありました。
鋼材は丸材が多かったです。即ち、断面が円形の材料でした。
その径(直径)には、当然プラス方向とマイナス方向に公差がありました。
工場で試作をし、適正な径(直径)と長さを決めて、量産に立ち上げたのに、
「更に歩留まり向上って何?」と思いました。
ここだけの話ですが、ある先輩は、試作段階で、適正な径(直径)と長さを
決めないで量産化していました。
そして、量産後に「歩留まり向上」で成績を上げるという手段を取っていました。
許せませんでした。
あっ、今、「姑息な手段」と書こうとしていました。
姑息な手段とは・・・・・
明日のブログに書きますね。
量産で使用している材料の直径を0.5mmずつ小さくした材料を
取引先様の材料メーカーさんに作って頂きました。
その営業担当のIさん、とても人当たりが良く、頭の良い方でした。
その方、現在、その材料メーカー様の社長様です。
2021.08.24のブログで蛇みたいな部品の材料(四角材ですが)の重量を計算しましたね。
一辺が10cmだと仮定し、長さが50cmだと仮定し、10×10×50=5,000立法センチメートルと
鉄の比重7.85を使い、7.85×5,000=39,25、つまり39.25kgが鋼材の重さだと計算しました。
また、この材料単価が85円/kgだと仮定し、この材料費を、39.25×85=3,336.25円としましたね。
仮にこの材料を1辺で1mm、長さで1mm削減したら材料費はいくらになるか計算しますね。
9.9×9.9×49.9×7.85×85=3,263.32
3,336.25-3,263.32=72.93
1mm削減しただけで、72.93円も安くなるのです。
企業は、このような地味な努力をして、原価を下げているのです。