カッパドキアは、アナトリア高原の中央部に広がる大奇岩地帯です。
キノコ状の岩に代表される奇岩の不思議な景観、奇岩の中に残された
膨大なキリスト教壁画。
地下何十mにも掘り下げられた地下都市と様々な顔を持ちます。
トルコ観光の最大の見どころです。
バスの窓から目に入る景色は、これまで訪れたどの地域の
景色とも異なると思います。
なだらかな岩肌のグラデーションが広がるかと思えば、ごつごつとした
奇岩群があります。
ニョッキリと突き上げるキノコのような岩のユニークさには、思わず
笑い出してしまうかもしれません。
これが全て自然の力で出来たのですから、やはり凄いです。
こうした地層は、数億年前に起きたエルジェス山の噴火によって
造られたものです。
火山灰と溶岩が数百mずつ積み重なった末、凝灰(ギョウカイ)岩や
溶岩層になりました。
その後も岩部は、風雨に打たれて、浸食が進み、今では、固い部分だけが残されて、
不思議な形の岩となりました。
カッパドキア地方は、ヒッタイト時代から、交易ルートの要の地として
栄え、4世紀前後からは、キリスト教の修道士が、凝灰岩に洞窟を
掘って住み始めました。
彼らは、外敵から身を守りつつ、信仰を守り続け、洞窟内の天井や
壁に見事なフレスコ画を残したのです。
標高1000mを超す、高原の更に奥深い岩山での、ひたむきな
信仰生活を垣間見る事が出来る貴重な地域と言えます。