フォンテーヌブロー宮殿(仏:Château de Fontainebleau)は、
セーヌ=エ=マルヌ県フォンテーヌブローにある、フランスで最も大きな宮殿です。
フォンテーヌブロー城(城館) (Château de Fontainebleau) とも呼ばれています。
また、「フォンテンブロー」とも表記します。
宮殿の現在の姿は多くのフランス王による築城の結実であり、
基本的な建築構造はフランソワ1世によります。
建物は中庭を囲むように広がり、フォンテーヌブローの街がかつての
王の狩猟場(フォンテーヌブローの森)跡を取り囲むように発展しています。
宮殿の内装や庭は、フランスにイタリアのマニエリスム様式を導入し、
フランス風に解釈し直しています。
16世紀のフランスにおけるマニエリスム様式の室内装飾は、
「フォンテーヌブロー様式」として知られています。
これは、彫刻、金工、絵画、漆喰装飾、木工を組み合わせ、
屋外庭園には図案化した花壇のパルテアなどを取り入れたものです。
フォンテーヌブロー様式では寓意的な絵が漆喰のモールドに使われています。
アラベスクやグロテスクも取り入れられ、縁取りはまるで皮か紙で
あるかのように、切り口が巻き上がった形に仕上げられています。
フォンテーヌブローにおける女性美の表現は「マンネリ」です。
小さくてこぎれいな顔と長い首、過度に長い胴や四肢、
小さくて高い位置にある胸、といった類であり、後期ゴシックの
美の表現へほぼ回帰しています。
フォンテーヌブローにおける新しさは洗練された細かな彫刻の意匠にあり、
これらは鑑定家や芸術家の間に広がって行きました。
フォンテーヌブロー派による彫刻を通して、この新しいスタイルは、
他のヨーロッパ中北部、アントウェルペンを筆頭に、ドイツ、
ついにはロンドンにまで波及しました。