Rから受け取った手紙を読んだ私は、
「今まで何をやっていたんだろう?」と思いました。
Rの為に受けた文科系の授業は何?
私は、理科系です。自分の授業を犠牲にしていたのに・・・・・
でも、何となく予感したいたのかもしれません、こうなる事を。
新聞販売店からも、新聞配達を続けてくれと言われていましたが、
それも断りました。
すぐに東京に行く準備をしました。
両親も妹もびっくりしていました。
突然の事だったので、八王子に住む医師の伯父の家に厄介になる事になりました。
当然、航空券の予約はしていませんでした。
とりあえず、自分の机の上に
「『Rから電話があっても、私は朝一便の飛行機で東京に行った事、
また、私の事は忘れてくれ。』と言ってくれ。」と書き置きを残しました。
そして、洗面道具と着替え、東京の地図を持って福岡空港に行き、
朝一便の飛行機で、東京に向かいました。
妹が言っていました。
「朝、お兄ちゃんに電話があったよ。机に書いてあった事を話したら、
『そうですかぁ』と言っていた」と。
実は、このあとになるのですが、Rは私が夏休みで帰省している時に、
母がやっているスナックに来ます。
その時、母から電話があって、「来とんしゃぁ(来ていらっしゃる)けど、
(スナックに)来る?」と言われました。
当然、「行かない」と。
あれだけの事を手紙に書かれていたのと、その時は、別の事情で
そう答えました。
今、右耳のイヤホンでは、松任谷由実の埠頭を渡る風が流れています。
この歌は、Rとの思い出の歌です。