- メモリー・キーパーの娘/キム・エドワーズ
- ¥2,100
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タイトルだけではどんな話なのか想像できませんでしたが
じわじわと来る、いい本です。
この本の人気も草の根系で広まったらしいので
さもありなんと。
(海外の書店ポップみたいな推薦がきっかけだったらしいです)
時代がかなり古い設定なので、今ではありえないことも
たくさんあるのですが・・・。
幸せな結婚をし、子供を授かった医師は
自ら、子供をとりあげるのですが、予想外に双子。
おまけに、最初の男児に続いてとりあげた娘が
ダウン症の様相を見せ、ショックを受けます。
とにかく時代が時代ですから、そういう障がいを持った子供は
すぐに死んでしまうという意識が強かった時代。
専門の施設に預けて、その時点でさよならというのが主流だったようです。
医師も自分に気のある看護婦に、その施設へ預ける
といってはコトバが美しいのですが捨ててこいと命じます。
彼女は医師が好きですから、言うことを聞いて
施設まで行くのですが、そこでの人の扱われ具合をみて
自分が育てようと決意します。
医師は子供は死産だったと妻に告げてしまいます。
妻は一度も見ることのなかった娘の死とうまく折り合えず
医師は妻のためにしたことのせいで重い十字架を背負い
幸せだった家庭はギクシャクしてしまうのです。
一方、看護婦とその娘は・・・
というように展開していくのですが
人の善意は必ずしも善とならず
相手を思うための行為は、逆に相手を傷つけて
なんてことは時代や設定が変わっても言えることだなと。
たとえば、家族、夫婦、同僚との会話でも
こういうことはままありますよね。