
小川洋子作品って静かにはまっちゃう。
現実離れした設定の中で、登場人物がそばにいるような
いかにも「物語」に入り込んでいくのが分かるような
そんな気持ちにさせられる。
この本はどっちかというとホラー?とか思えるテーマなのに
なぜこういう静かな物語になるんだろう。
「博士の愛した数式」もそうだったけど

いつも何かが欠けた人がいて
その人が、その何かを恣意的にではなく
暮らしの中で探し当てていく様子を描くのが
ほんっとーにうまいと思う。
月が満ちるような感じというのかなぁ。
静かにひたひたと・・。
記憶が持たなくて全身ポストイット状態の博士と
家政婦さんとルート(家政婦の息子)
なんて登場人物を聞いただけで、あぁ、「小川洋子」と思うんだけど。
そういう雰囲気でいえば、より現実的な設定が多いけど
川上弘美も空気が似てて好きなんだけどね。
彼女では「センセイの鞄」が有名か。

これ、WOWOWのドラマで演じた小泉今日子は
当て逃げで新聞記事になっちゃうし(笑)