先日の新聞で、少し前に亡くなられたことをしりました。

 

この方も、私がまだ子供の頃、

「この世の中に声楽家という職業がある」ことをしるきっかけとなった人です。

私が小学3年生ぐらいから毎年12月にベートーヴェン作曲の「第九」を家族で聴きに行くことがひとつのイベントとなっていました。

そして私が一番最初に聴いた「第九」のソプラノ・ソロとして出演されていたのが佐藤しのぶさんでした。

 

当時はまだ「わあ、すごい高い声がよく出て響くなあ」くらいにしか思っていませんでしたが

オーケストラと合唱団のぶつかり合う時のあの素晴らしい響きあいを聴いていて、

「いつかあの歌声の中に私も入ってみたいなあ」とよく思っていたものでした。

 

そして時は流れ、音大を卒業し、社会人になり、結婚してすぐのころに

思いがけず第九の合唱に参加する機会を得られた私。

最初の原点はやはり「佐藤しのぶさん」だったのではないかと思っています。

 

 

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

余談ですが

まだ小学生のころ、私にとってベートーヴェンの交響曲第九番はとても長い曲で

私は第一楽章から第三楽章が終わるまでほとんど客席で寝ていました。

そして第四楽章の歌が始まる頃に母に起こしてもらっていたのでした。

 

今思うと、なんだかとってもよろしくない観客だったなあ。