ワイルドだろぉ〜 | Python's Den

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最近本題のフレーズが流行っていますが、エキゾティックアニマル業界では以前からワイルドは珍重される風潮にありました。
このワイルドとは、野生捕獲個体の意味です。
特に生息地ごとに異なった特色が地域変種(亜種)として現れる種はマニアにとって格好のコレクションアイテムになります。
わたしがこのワイルドってやつにハマったのが熱帯魚でした。南米産ドワーフシクリッドのアピストグラマ属ってやつです。
このアピストグラマは体長10cmにも満たない美しい小さな魚です。それがあの広大なアマゾン川水系の支流、またそこから派生する小川、止水ごとに地域変種やそのバリエーションが生息している訳ですからコレクションしがいがあるってもんです。というかコンプリートなんて莫大な飼育設備を強いられますし、今なお学名も追いつかない程、新種と思しきやつがsp.として続々と輸入されるので夢のまた夢、キリがありません。
そしてもう一つの魅力は、繁殖が容易なこと。しかも子育てをすること。婚姻色の派手な黄色に色付いたメスが子供を守る姿はマニアにはたまらない情景です。
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限られた水系にしか生息しない種は、学名記載されていてもイラストや標本でのみの発表でマニアには幻の種となります。ごく稀に輸入されれば、専門誌が騒ぎ、販売ルートに乗れば超高値で取り引きされます。
そこでわたしのような貧乏マニアはと言うと「混じり抜き」ってやつに手を染めます。様は現地直輸入のルートをもったショップに種の特定を省いて輸入されるワイルド個体の大群から、高価なレア種を発見して低額で購入するんです。
ネグロ川水系採取アピストグラマとしてショップに輸入されると、仲間から「ネグロ便が来たぞ!」と連絡が入り、大急ぎでショップに向かいます。
ショップでは、箱詰めされたどっさりとアピストグラマが入っているビニール袋ごと大型水槽に入れてトリートメントをします。その販売前の水槽の前に何人ものマニアたちが鼻っ柱をガラスに押し付け目を凝らしている中を押しのけて加わります。
「ほぼペルテンシスだね。」
「ロートカイルは混じってない?」
「あれ、パウキスクアミスじゃないか!?」
「メスはいるのか??」
知らない方がみたら、なんて摩訶不思議な光景でしょう。
運が良ければ1ペアくらいはレア種は引けますが、大概目利きの大御所マニア達の餌食になって終わります。
最近では、目利きの小売り専門店が問屋でこの作業を行って、きちんと種の特定をしてペア販売をするケースが殆どです。
この場合、前出のネグロ川水系便という広い範囲でのロカリティではなく、支流名(上流域、中流域、下流域まで特定されているものもあります。)、止水域、小川などならその部落の地名まで冠されます。
それぞれにおいて、同じ種でもここで採れたやつは顔に赤が入るとか、青味が強いとか言われていてロカリティをまたいでの交雑はご法度となっています。
例えば、アピストグラマ・エリザベサエ・トッカーノってやつがいます。トッカーノで採取されたアピストグラマ属エリザベサエ種という意味です。
他にもアピストグラマ・エリザベサエ・イサナ、アピストグラマ・エリザベサエ・ウワウペスetc.という様々なロカリティのアピストグラマ・エリザベサエがいます。
エリザベサエ・トッカーノのペアを購入したとします。なんらかでメスが死んでしまった、ショップに行ってメスを探すがウアウペスのエリザベサエしかいない、この場合、トッカーノとウアウペスのペアでの繁殖はご法度ということです。全く素人目ではこの2種の違いはわからないものなんですがね。
ましてや、異種とのハイブリッドなど言語道断なのは言わずと理解できますよね。
長くなりましたが、日本人ホビイストに好まれる繊細な拘りをくすぐるワイルドやピュアと呼ばれる嗜好の例として、今日はお話しいたしました。
では、他のペットではどうでしょう?犬では?猫では?爬虫類では?
本題のヘビにはいつ辿り着けますかねぇ。




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