どうせ観るなら、三部作、いっぺんに・・・・。
かなり前から再鑑賞したいと思っていたものの
まとまった時間が取れなかったり、新作優先になったりで
ずるずると先送りになってしまい・・・・やっと、観ることができました。
トリコロール/青の愛/白の愛/赤の愛
これほどまでに、色彩に特化した映画もそうはないと思います。
フランス国旗の青・白・赤(自由・平等・博愛)をテーマにした三部作。
トリコロール/青の愛(’93)
青=自由。過去の愛からの自由。
モビールの青。月明りに照らされた青。夜間のプールの青。
そして、ジュリエット・ビノシュの閉ざされた心。
キェシロフスキの祖国ポーランドの国旗って
赤と白の2色 じゃないですか。祖国にはない“青=自由”に
自身(ポーランド人)の境遇を重ね合わせていたのでは・・・・。
なんていう勝手な想像をしてしまうのでした。
トリコロール/白の愛(’94)
白=平等。愛の平等。
なんだよ。ジュリー・デルピーの露出が少ないじゃない
っていうのを踏まえた上で観たら、意外と愉しめる作品です(笑)
脚本は三部作の中で1番好き
キェシロフスキで、コミカルな作品は希少価値が高いです。
ポーランドの雪景色、白い彫像、レースのカーテン
花嫁衣裳、そして、ジュリー・デルピーの白い肌。
“純潔”ではない白のイメージに、不思議な感覚を覚える。
トリコロール/赤の愛(’94)
赤=博愛。すべてを包みこむ博愛。
どれがこれがではなく、映画全体が赤で色彩設計されており
情熱的な色使いでありながら、トーンを抑えた、“赤=博愛”に
主演女優の存在も相まって、温もりを感じさせてくれる。
イレーヌ・ジャコブの柔和な表情、温かみのある眼差しが
老いた元判事(ジャン=ルイ・トランティニャン)だけではなく
三部作すべてを包みこんでいるかのようです。
イレーヌ・ジャコブのために作られた「赤の愛」
もっと言ったら、イレーヌ・ジャコブのために作られた「トリコロール三部作」
結果として、遺作になったのは残念だけれど
キェシロフスキ作品の最後を飾るにふさわしい。
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