トリコロール/青の愛/白の愛/赤の愛 | Untitled

どうせ観るなら、三部作、いっぺんに・・・・。

かなり前から再鑑賞したいと思っていたものの

まとまった時間が取れなかったり、新作優先になったりで

ずるずると先送りになってしまい・・・・やっと、観ることができました。

 

 

 

トリコロール/青の愛/白の愛/赤の愛

 

監督:クシシュトフ・キェシロフスキ

 

 

 

 

これほどまでに、色彩に特化した映画もそうはないと思います。

 

フランス国旗フランス国旗・白・(自由・平等・博愛)をテーマにした三部作。

 


 

 

 

 

 

トリコロール/青の愛(’93)フランス国旗ポーランドスイス国旗

 

 

青=自由。過去の愛からの自由。

 

モビールの青。月明りに照らされた青。夜間のプールの青。

そして、ジュリエット・ビノシュの閉ざされた心。

 

キェシロフスキの祖国ポーランドの国旗って

赤と白の2色ポーランド じゃないですか。祖国にはない“青=自由”に

自身(ポーランド人)の境遇を重ね合わせていたのでは・・・・。

なんていう勝手な想像をしてしまうのでした。

 

 

 

 

 

トリコロール/白の愛(’94)フランス国旗ポーランドスイス国旗

 

 

白=平等。愛の平等。

 

なんだよ。ジュリー・デルピーの露出が少ないじゃない!

っていうのを踏まえた上で観たら、意外と?愉しめる作品です(笑)

脚本は三部作の中で1番好きラブラブ

キェシロフスキで、コミカルな作品は希少価値が高いです。

 

ポーランドの雪景色、白い彫像、レースのカーテン

花嫁衣裳、そして、ジュリー・デルピーの白い肌。

“純潔”ではない白のイメージに、不思議な感覚を覚える。

 

 

 

 

 

 

トリコロール/赤の愛(’94)フランス国旗ポーランドスイス国旗

 

 

赤=博愛。すべてを包みこむ博愛。

 

どれがこれがではなく、映画全体が赤で色彩設計されており

情熱的な色使いでありながら、トーンを抑えた、“赤=博愛”に

主演女優の存在も相まって、温もりを感じさせてくれる。

 

イレーヌ・ジャコブの柔和な表情、温かみのある眼差しが

老いた元判事(ジャン=ルイ・トランティニャン)だけではなく

三部作すべてを包みこんでいるかのようです。

 

イレーヌ・ジャコブのために作られた「赤の愛」

もっと言ったら、イレーヌ・ジャコブのために作られた「トリコロール三部作」

 

結果として、遺作になったのは残念だけれど

キェシロフスキ作品の最後を飾るにふさわしい。