わが青春のフロレンス(’70)
原作:ヴァスコ・プラトリーニの小説「イタリア史」
監督:マウロ・ボロニーニ
まず、もろもろ整理しとかなきゃならないんですけど
“フロレンス”ちゃんはヒロインのオッタヴィア・ピッコロの役名かと思ったら
“フィレンツェ”の英語読みだったんですね。
“ヴェネツィア”を“ヴェニス”って言うように。
で、原題が「Metello(メテッロ)」で、ヒロインじゃなくて相手役の男の
役名なんですよね。なのに、なぜ、このジャケットなのだ?(ほら、見栄えがいいから)
さらに、この邦題は『わが青春のマリアンヌ』のパクリですね。
さ、もろもろ整理ついたところで、本編へ・・・・なんか疲れちゃった(笑)
19世紀末、フィレンツェ。
若くして両親を失ったメテッロ(マッシモ・ラニエリ)は
里親と別れを告げ、レンガ職人になる。
ある日、彼は美しい未亡人のヴィオラ(ルチア・ボゼ)に雇われ
やがて関係を結ぶことに。だが、メテッロが兵役中に妊娠した
ヴィオラは別の男と結婚していた。
ところ変わり、職場の解雇騒動で足場から落ち死んだ同僚の葬儀に
参列したメテッロは故人の遺言により組合の赤い旗で葬列を組む。
ほどなくして、葬列を組んだ労働者たちは警察と衝突
メテッロや多くの仲間が収監されてしまう。
メテッロが故人の娘エルシリア(オッタヴィア・ピッコロ)と
出会ったのは、この時だった・・・・。
オープニングでは、セピアがかったフィレンツェの街並みが映し出され
全編これでいってくれれば、よかったのに・・・・
と思った方が少なからずいらっしゃたのでは(笑)
どちらかというと、階級闘争を描いた“社会派映画”の側面が
強い気がしますが、それに、美女をそろえて“メロドラマ”の要素を
組み込んでみました・・・・という構成。
“ネオレアリズモ”と“メロドラマ”を絶妙なバランスで融合させた
デ・シーカの『ひまわり』のようなイメージで作ったのかな?
と思ったら、同じ年の製作だった![]()
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ただ、こっちの方は、絶妙なバランスだったかと言われれば
う~~~ん(出た!困った時の、う~~~ん)
どちらにしても、この時代の
映画は、“ネオレアリズモ”からの脱却。
国内の景気とともに、“メロドラマ”や軽快な“ラブコメ”が増えてきます。
メテッロの最初のお相手、艶っぽい未亡人役のルチア・ボゼ
どこかで見たことあるな~って思ってたら
ブニュエルの『それを暁と呼ぶ』に出てた人だ。
オッタヴィア・ピッコロは、イタリア女優らしからぬ可愛らしさがあって
なんと『山猫』で、バート・ランカスターの娘役で出演していたらしい(小学生かな?)
時を経て、アラン・ドロンの恋人役になるとは・・・・C・Cもビックリ?(笑)
この映画のヒットによって、監督と主演2人が再度組んで
『愛すれど哀しく』が製作されます(こっちの方が好みかな~)
古都フロレンスのたたずまいに 激しくきらめく青春の息吹き!
愛のよろこびと悲しみを綴る感動の文芸名作
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