パルムの僧院 | Untitled

パルムの僧院(’48)フランス国旗

 

原作:スタンダールの同名小説

 

監督:クリスチャン=ジャック

 

「赤と黒」と並ぶ、このスタンダールの代表作は

一生のあらゆる段階で読み返されるに値し

そのたびに味わいを増すとまで讃えられる。(原作本、表紙解説より)

え~、また読み返すの?(笑) それぐらい、読むのしんどかった。

とにもかくにも、なんとか読みきって、さあ、映画版。

 

主人公は、この人しかいないビックリマーク

夭折の美男俳優、ジェラール・フィリップ

 

 

19世紀前半、ナポリで学生生活を終え故郷のパルム(パルマ)に

帰って来たファブリス(ジェラール・フィリップ)は

伯母のサンセヴェリナ公爵夫人(マリア・カザレス)に迎えられた。

数年ぶりに見る甥の姿に、肉親としての彼女の愛情は

忽ち激しい恋心に変った。小胆で愚かなエルネスト四世が

権力を振うパルムの宮殿で、大夜会が催された折

ファビオ・コンチ将軍の娘クレリア(レネ・フォーレ)も

ファブリスの面影を深く心に焼きつけた。

だが彼女には、政略結婚の話が持ち上がっていた。

 

 

原作の上巻はやや退屈で、どうしたものかと思ってたら

下巻になって、ファブリスが城塞の塔にある牢に幽閉され

クレリア嬢と再会するところから、俄然、盛り上がりをみせる。

 

映画版も、そんな私に気を使ってか、上巻部分は大幅に割愛され

下巻メインで描かれていた。それでも、3時間近くあったけど・・・

 

原作が読み返されるに値するということは、1回読んだだけでは

なかなか、自分のものに出来ないという見方もできますが

映画版では、端折るところはバッサリ端折って、うまく整理されて

描かれていて、少しスッキリ。 絵本から入る児童みたい(笑)

そのおかげか、原作も、また読み返す気にちょっとだけなりました。

                              (ちょっとだけですよ汗


 

優雅で美しく無垢な青年ファブリスは、絶対的な庇護者

サンセヴェリナ公爵夫人をはじめ、さまざまな人から

愛されるが、自分から人を愛することを知らない。

 

誤って、つまらない男を刺してしまい、投獄されたことで

牢獄を監督するコンチ将軍の娘クレリアとの出会いで

初めての恋というものを知る。 投獄されて幸せとすら感じてしまう。

これを、美しき ジェラール・フィリップ

重ね合わせてみてください・・・・もう、リメイク不可能です(笑)

 

甥っ子に恋心を抱くサンセヴェリナ公爵夫人のマリア・カザレスも

美しく、頭が切れて、大公相手でも怯むことなく立ち回る。

まさに、原作のイメージどおり。 この人、好きだな~

 

「牢獄から救えても、心は救えない・・・・・」

 

大公と立ち回った姿は消え失せ、哀しげな表情をみせ

こう、つぶやく公爵夫人の姿に、ああ、私があなたを救います(笑)

 

そして、クレリア嬢は牢獄の番人でもある父親を裏切り

愛する男のために脱獄に加担して、良心の呵責に苛まれる。

 

これらの心理描写が、原作では実に見事に描かれていて・・・

あれ・・・ブログ前半とは明らかに熱量が変わっているはてなマーク

原作と同じように、後半(下巻)で盛り上がってしまった(笑)

 

書きながら、作品の素晴らしさを確認できたように思います。

原作本も、ブックオフに売らずに再読するまで

熟成させておこうと思います(何年後になるやら・・・・)

 

 

 

 

 

1839年に発表されたスタンダールの小説の映画化 

ジェラール・フィリップの魅力の原点となった恋あり策略ありの冒険活劇