聖者の谷 | Untitled

 

聖者の谷(’12)アメリカインド

監督:ムーサ・シード

 

 

ボリウッド映画は、ガチャガチャしていてあまり好きになれなくて

ま、そもそも、元の語源の映画産業がちょっと・・・なので(笑)

 

で、このインド映画は、いい意味で抑揚がなく、ラストで踊ることもなく(笑)

私には舞台となった、ダル湖の水が合うような気がします。

 

 

インドのカシミール地方で年老いた叔父と暮らす青年グルザール。

貧しい田舎で生きることに嫌気がさした彼は、親友アフザルと一緒に

故郷を捨てて大都会へ旅立つことを決心する。

ところが出発した矢先、インド分離独立を訴えるイスラム教徒の

デモが過激派し、インド政府は外出禁止令を発令。

一時解除されるラマダンまで一週間足止めを食らった二人は

ダル湖の汚染調査にアメリカから来た女性研究者アシファを手伝い始める。

グルザールは彼女に好意を抱くようになり

彼の心にある変化が生まれてくる・・・・・・。

 

 

カシミール地方の政情不安、ダル湖の汚染といった

社会問題を、インドの若者の視点から描かれた

“社会派青春映画” に仕上がっていて

アメリカから来た女性研究者役以外は、非職業俳優が起用され

カシミール地方の“今”を、地に足を付けて描かれています。

                         (ほとんどが湖だけど、笑)

 

“聖者の谷” とも呼ばれる、ダル湖を中心とした地域。

湖周辺に家屋が建ち並び、交通手段はシカラと呼ばれるボートで

湖面を移動する。 ダル湖が美しい・・・・・と思いきや

ちょっと奥まった所へ行くと、湖面にゴミが散乱して

湖水も汚染されてしまっている。

 

家屋の2階からは、おばちゃんが燃えるゴミ、資源ゴミ

分別なんかすることもなく、どさ~っと湖に投げ捨てる。

家にゴミ箱ないんかいっ(笑) あ、トイレもそのまま湖へ・・・・

 

聖者も泣いてるゾ・・・・・・


 

そら、アメリカからわざわざ汚染調査に来るわけです。

 

この女性研究者アシファに好意を抱いている主人公のグルザールが

彼女を家に招くんですけど、トイレがその“垂れ流し式”なもんだから

グルザールが、ばつの悪そうな表情になってしまうんですよね。

 

アシファが汚染対策について語りはじめると、なぜか、そこに居合わせた

グルザールの友人が「俺たちは今を生きるので精一杯なんだ!」

 

これが、現実の声なんでしょうね・・・・・。

 

 

 

 

水上交通が盛んなダル湖の美しい情景を舞台に、生きる使命を探る若者たちの友情と恋

心の触れ合いを描いた至極のヒューマンストーリー。

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