グッバイ・ファーストラブ(’11)
監督:ミア・ハンセン=ラブ
ここ10年で20人以上もの女性監督が誕生し、新たな波が生まれつつある
“フレンチ・フィーメイル・ニューウェーブ”
ジュリー・デルピーの 『スカイラブ』 に続いての女性監督は
こちらも女優出身のミア・ハンセン=ラブ。 これがまた、素晴らしい青春映画!!
1999年、幼い愛を燃えたぎらせる15歳のカミーユ(ローラ・クレトン)と
17歳のシュリヴァン(セバスティアン・ウルゼンドフスキー)
南仏でのヴァカンスを楽しむふたりだが、自由を求めて南米へと旅立った
シュリヴァンとパリで高校生活を続けるカミーユとの恋は
冬の到来と共に終わりを告げる。初恋を引きずったままのカミーユは
大学生になり、建築を学ぶうち、講師である年上の建築家
ロレンツ(マーニュ・ハーバード・ブレック)と付き合いはじめる。
そんなある日、彼女は数年ぶりにシュリヴァンと再会するが……。
「愛してる。でも、僕のすべてにはなれない。」
「私には、あなただけ・・・・・。」
燃えるような初恋から失恋を経て、少女から大人の階段を登り始める・・・・・
というのは、これまで手垢がつくぐらい描かれている題材ですが
鑑賞後、この映画の素晴らしさを、どう文字に起こそうかと悩んでしまうぐらい
言葉ではなかなか言い表せない、だったら黙って感動してなさいっていうぐらい(笑)
感性に訴えかけるものがあって、心を動かされる映画でした。
15歳の少女の初恋から、その後10年を描いているのですが
ヒロインのカミーユの成長を丁寧に描いて・・・・っていうんじゃないんです。
彼女の人生の断片をブツ切りに、その瞬間、瞬間をミア・ハンセン=ラブの感覚で
彼女のみずみずしさ、彼女の哀しみ、彼女の悦びを・・・・・
その瞬間以外ではありえない、かけがえのない瞬間を捉えているんです。
雪の降り積もる中、真っ赤なダッフルコート着て歩くカミーユの姿だけで
愛おしく感じてしまうんです。 ああ、この瞬間はもちろん、昨日も一昨日も
明日もあさっても、遠く離れた彼のことを想い、同じコートを着て同じ道を歩き
彼女の人生の一部が過ぎ去っていくんだな。。。。。だなんて
ブツ切りされることで、描かれていない彼女の人生にまで入り込んでしまって(笑)
10年経って建築家として自立した女性になり、凛とした表情もしっかりと捉えている。
カミーユ役のローラ・クレトンにも、いっぺんに惚れこんじゃいました。
映画出演2~3本の21歳の若手女優みたいですけど、今後が楽しみっ。
あら、とっちらかっちゃいましたけど、結構、文字起こしましたね(笑)
15歳の頃の初恋を引きずるカミーユ。大学で出会った年上の男と付き合い始めた彼女は
ある日初恋の相手シュリヴァンと再会する・・・。
ミア・ハンセン=ラブによる長編第3作目は、多感な少女が大人への階段を上り始める瞬間を
移り行く自然の中で美しく捉えている。
グッバイ・ファーストラブ DVD/ローラ・クレトン,セバスティアン・ウルゼンドフスキー,マーニュ・ハーバード・ブレック
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