密告 | Untitled



密告(’43)フランス国旗

監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー


当時、ドイツ占領下だったフランスで占領軍の指令で作られたものの

ゲシュタポ批判が込められていると、ドイツから上映禁止の憂き目に遭い。

終戦後には、母国から対独協力者の疑いをかけられ、謹慎処分を受けたという

クルーゾーからしたら、踏んだり蹴ったりの、いわくつきの作品。



ある日、田舎町の産婦人科医ジェルマン(ピエール・フレネー)のもとへ

彼の不倫を中傷する手紙が舞い込む。手紙には“カラス”という署名があった。

これを皮切りに同じ署名の入った手紙が他の人々にも配られはじめ

内容もジェルマンに対する中傷のみならず、人々の秘密の暴露など

多岐にわたっていく。ついには、手紙でガンを知らされた入院患者が

自殺するという事件まで起きてしまう・・・・・。



一体 “カラス” は誰なんだ? 

という謎解きに重きを置いた印象の受けるサスペンス映画なのですが

謎解きは、あくまでオマケみたいなもので、オチも、あっそぅ程度ですし(笑)

怪文書によって、町全体の人々が翻弄され、身内すら信じられなくなって

疑心暗鬼の黒い闇に包まれるさまに、ゾッとさせられるんです。

自殺した入院患者を担当していた看護師が、魔女狩りのように

町の群集によって犯人に仕立て上げられ、逮捕されてしまう。

恐ろしき “群集心理”  しかし、“カラス”の怪文書は止むことはなく・・・・



疑心暗鬼に陥ったことで、思わぬ本性をあらわにする人間も出てきだし

“カラス” の模倣犯まで現れ始めてしまう。

ジェルマン医師の愛人ドニーズ(ジネット・ルクレール)なんかは

ファム・ファタール臭ぷんぷんさせて悪態をついているんですが

一連の事件を通して、彼女の意外な一面を覗かせることに・・・・

ま、この映画で最も疑心暗鬼に陥ったのは、独・仏両国から仕打ちを受けた

監督のアンリ=ジョルジュ・クルーゾーでしょうけど(笑)





『恐怖の報酬』の巨匠アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督によるサスペンス。
フランスの片田舎に舞い込んだ怪文書をきっかけに、疑心暗鬼に駆られていく人々の姿を描く。
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