王女メディア | Untitled



王女メディア(’69)イタリア国旗フランス国旗ドイツ国旗

原作:エウリピデスのギリシャ悲劇「メディア」

監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ


『アポロンの地獄』 に続き、ギリシャ悲劇の古典を映像化したパゾリーニ

主演の王女メディアには、オペラ界の王女マリア・カラスを大抜擢。

しかも、世界的なオペラ歌手を迎えながら、その歌声は一切封じられ・・・・・



幼き日に奪われた王座の返却の条件として上げられた金毛羊皮を得るため

異郷の地コルキス王国を訪れたイアソン(ジュゼッペ・ジェンティーレ)は

そこで怪しげな生け贄の儀式を行う巫女メディア(マリア・カラス)と出会う。

一方、一目で彼への燃えるような愛に落ちたメディアは

祖国の繁栄を支える金毛羊皮を盗み出し彼に捧げる……。



「ナバロンの要塞」のグレゴリー・ペックの相手役

ジョゼフ・ロージー監督「夕なぎ」でのエリザベス・テイラーの役柄

ジョン・ヒューストン監督の大作「天地創造」などなど

映画界から熱烈なラブ・コールがあったにも関わらず

オファーをことごとく断り続けていたというマリア・カラス。

しかし、この映画の出演依頼を受けたカラスは

自分が待ち望んでいたチャンスが訪れたとすぐに悟り、初の映画出演を快諾する。

パゾリーニがカラスに “王女メディア” を演じる上で求めていたという

スター歌手、あるいはその歌声ではなく、彼女が備える

「女性」「自分自身であること」という考えに、深く共鳴したようです。



“歌わない” マリア・カラスは、その立ち姿、その鼻筋、その目ヂカラ

そこにいるだけで、愛と復讐に燃える “王女メディア” であり

ひとりの女性 “マリア・カラス” 自身であり・・・・・その存在感たるやっ! 

トルコで撮影されたという荒涼で原始的な風景の中

日本の地唄や箏曲(そうきょく)やイラン、チベット、インド

アフリカ、ブルガリアなど世界各国の民族音楽が使われ

独自の世界観を描いてみせたパゾリーニ。

特に、人間を生贄にした悪魔的儀式には、うわ~っ、やっぱりパゾリーニだ(笑)




イタリアの鬼才パゾリーニ監督が20世紀最大のオペラ歌手マリア・カラスを主演に迎え
ギリシャ悲劇の古典「メディア」を題材に描いたドラマ。
王位返還のために金毛羊皮を求める青年イアソンは、コルキスの地で王女・メディアと出会うが…。
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