M(’31)
![ドイツ国旗](https://emoji.ameba.jp/img/user/ck/ckenbow/87114.gif)
監督:フリッツ・ラング
“殺人者は我々の中にいる”
男の背中に刻印された 「M」 の文字・・・・・これは、怖かった。
何より怖いのは、連続殺人犯ではなく、市井の人々の狂気だった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150329/18/pyscipks/bb/9b/j/o0450030013259486853.jpg?caw=800)
幼い少女が次々と惨殺される事件が発生。警察当局の懸命な捜査にも関わらず
犯人の見当は全くつかず、やがて暗黒街にまで捜査の輪は広げられる。
手がかりはないかのように思えたが、被害者の一人が誘拐されたときに
口笛が聞こえたことに気付いた盲目の売り子により、一人の男に焦点が絞られた。
チョークで 「M」=「Mörder」(殺人者)
のマークを付けられた男は徐々に追い詰められていく。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150329/18/pyscipks/49/08/j/o0590030013259495605.jpg?caw=800)
ボールをついて遊んでいた女の子に黒い影が忍び寄り
風船を買い与えられた女の子は喜び、膝を少し曲げ「ダンク」と答える。
女の子がついていたボールは、空き地で当てもなく転がり
風船は電線に引っ掛かり、そして、どこかへ飛んでいってしまう・・・・・
ほんとに残忍で恐ろしい描写というものは、血なんか見せなくてもいいんですね。
それと、この映画が作られた頃は、サイレントからトーキーへの移行期。
フリッツ・ラング最初のトーキー映画でもあったこの作品では
むやみに音を入れず、サイレントの良さも多分に取り入れているんです。
ナイト・クラブに警察がガサ入れするシーンでは全くの無音。
それによって、より高い緊張感が保たれてるんです。
マフィアの会合と警察の捜査会議が同時進行で描かれていたり
食料品店の壁づたいに、カメラが上っていくと警察署の窓に切り替わり
カメラが窓を突き抜けて屋内に入っていったり
殺人課の警視が、ふんぞり返って座っているのを
足元から煽って撮っていたりと、凝った演出が随所に見受けられます。
後のフィルム・ノワールの成立に大きな影響を与えた作品でもあり
最初にして最強のサイコ・スリラーでもありますね。
フリッツ・ラング監督が描く犯罪サスペンス
少女を残虐に殺害する事件が起こり、警察は犯人逮捕のため暗黒街の取り締まりを開始する。
取り締まりが厳しくなり、今までの生活ができなくなると考えた暗黒街の住人たちは独自で犯人捜しを始める…。
フリッツ・ラング・コレクション M [DVD]/ペーター・ローレ,オットー・ベルニッケ,グスタフ・グリュントゲンス
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