夏の遊び | Untitled


夏の遊び(’51)スウェーデン

原作:イングマール・ベルイマンの短編小説「マリー」

監督:イングマール・ベルイマン


「最も美しい映画だという以外に言葉を持たない映画だ」

                            ジャン=リュック・ゴダール

エリック・ロメールは 『第七の封印』 を

「現存する最も美しい映画の一つ」 と評していますが、ベルイマンさん・・・・

あなたはどれだけ美しい映画を残せば気が済むのですか?(笑)



結婚をとるかバレリーナとしての仕事をとるかの選択に悩む

バレリーナのマリー(マイ・ブリット・ニルソン)は

誰からか届けられた古い日記を読んで、少女時代の思い出の場所を訪れる。

そこはバレエ学校の生徒だった彼女が、ヘンリック(ビルイェル・マルムステーン)

という学生と出会い、恋に落ちた思い出の場所であった。



あの夏の日、彼との愛は永遠に続くと思っていた・・・・・・

“宝石のような日々” は、愛する男の死によって断たれてしまう。

それ以来、自分の周りに壁を築き、外の世界に心を閉ざしてしまったマリー。

神様の顔にツバをかけてやりたいとさえ言い放つマリー。

思い出の場所をめぐりながら、現在と過去を行き来する。

木枯らしの吹く冬と陽光がふりそそぐ夏、若さと老い

そして、生と死が対比されながら、いくつもの時間が重なっていく・・・・・

道化の格好をしたバレエ教師(スティング・オリン)が

苦悩するプリマドンナに鏡越しに語りかける。

「メイクをするのも、落とすのも怖い。 踊るのも、やめるのも怖い。」

「生きるのも、死ぬのも怖い。 ただ踊り続け老いていくだけ・・・・・」

「しかし、一度だけ真実のときが来る・・・・・」




岩に囲まれ、波の立たない、湖水というか沼のようなスウェーデンの内海。

白夜もあり、光線が淡いスウェーデンの海は、どこか神秘的です。

蓮實重彥氏は、この映画をパリで観て、すぐさまスウェーデンの海を見に行ったほど

そのことを、淀川長治、山田宏一氏に恥ずかしそうに告白していました。

そしたら、山田宏一も観てすぐじゃないけど、この神秘的な海を見に行ったらしい。

夜中の二時に夕焼けになって白鳥の親子が泳いでいて、とくかく綺麗だったと

手厳しい評論もする両氏が魅せられてしまった海を私も見てみたいっ!

そんな少年のように話す二人を見た淀川さんが

「みんな偉いね。純粋だ。偉い、偉い。ぼく感心しちゃう。」

「それは、金貯まらないね(爆笑)」





イングマール・ベルイマンが学生時代に書いた小説「マリー」を脚色、映画化した初期の傑作。
プリマバレリーナ・マリーの過去の苦い恋物語を綴る。
仕事を続けるか、恋人と結婚するかで悩んでいたマリーの下にある日、古い日記が届く。
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