甘い生活(’60)
監督:フェデリコ・フェリーニ
前回は、スレきったVHSでの鑑賞だったので、HDマスター版での映像に大満足。。。。
退廃に支配されたローマの姿は、むしろスレきった映像の方が似合ってたか・・・・
作家志望の夢破れて、ゴシップ記者に成り下がったマルチェロ(マルチェロ・マストロヤンニ)
富豪の娘マッダレーナ(アヌーク・エーメ)と娼婦のボロ家で一夜を明かし
ハリウッドのグラマー女優(アニタ・エクバーグ)を取材すれば狂騒しトレビの泉で戯れる。
同棲中のエンマ(イヴォンヌ・フルノー)は身を固めようとしないマルチェロを嘆く。
友人スタイナー(アラン・キュニー)の知的で落ち着いた暮らしぶりを羨むマルチェロだったが
冒頭、キリスト像をヘリコプターで吊り下げて飛び回る。
低空飛行したかと思うと、ビルの屋上にいた水着の女をナンパするマルチェロ。
ドあたまからカマしてくれるショットは、やはりインパクト大っ。
アニタ・エクバーグとトレビの泉で戯れるシーンも官能的で。。。。
いかにも頭悪そうなハリウッド女優役のアニタ・エクバーグ(笑)そこがまた良いっ。
マルチェロのお父さんとの一連のエピソードもかなり好き。
一緒にキャバレー行って、お姉ちゃんはべらして騒ぎまくるんだけど
マルチェロの表情がだんだんと曇ってくる・・・・。
華やかにバカ騒ぎすればするほど空っぽ感が漂うローマの上流社会。
終盤の乱痴気パーティーでは完全に目が据わってしまったマルチェロ。
無気力な上流社会と一線を画そうとしながらも、誘惑に負けてしまう自堕落な男。
話の筋らしい筋はないんですけど、虚飾に満ちた世界を3時間近く
見せきってしまうところが、この映画のすごいところなんですよね・・・・。
カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞受賞作
フェデリコ・フェリーニ監督作品
甘い生活 プレミアムHDマスター版 [DVD]/マルチェロ・マストロヤンニ,アニタ・エクバーグ,アヌーク・エーメ
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