ニーチェの馬 | Untitled



ニーチェの馬(’11)ハンガリーフランス国旗スイスドイツ国旗


監督 : タル・ベーラ


何だかよくわからないけど、すごいものを見せつけられてしまった・・・・

“映画の極点" とまで言われたこの作品、確かに極めすぎていて

私の脳の極点をはるかに超えてしまった(笑)

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鞭打たれ疲弊した馬車馬を見て駆け寄り、馬の首を抱き泣き暮れ

そのまま精神を病んでしまったと言われているニーチェ。

その後、その馬はどうなったのか・・・・。

荒涼とした大地が広がる人里離れた農場に暮らす貧しい農夫とその娘。

そして、年老いた馬。 父は荷馬車仕事を、娘は家事を行い、暮らしぶりは貧しく限りなく単調。

そんな単調な生の営みを繰り返しながら、見えない何かに少しずつ追い詰められていく。

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このような内容で、果たして154分間、耐えれるだろうか・・・

と心配していたものの、これが一気に観れてしまった。

極端に排除された台詞、ダイナミックな長回し、きめ細かなモノクロ映像。

朝起きて、娘は右腕の効かない父親の着替えを手伝い

強風が吹き荒れる中、家から離れた井戸へ水を汲みに行き

食事は、茹でたジャガイモ1個。 左手だけで窮屈そうに食べる父親。

食べ終わると窓から荒れ果てた大地を眺める。そして、夜になって床につく。

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何の面白みない父娘の生活 “一日目” “二日目” という具合に淡々と映し出す。

虚無な空気、無常観が漂いまくっていて、弱りきってしまった馬の眼差しなんかは

何だかたまらない気持ちになってしまった。

ただ、そこには確かに、生の営みがある・・・・・。

はかなくも虚しい・・・・しかし、尊さも感じさせられる。

小難しいことは分からないけど、これだけ感じとれれば十分か・・・。





哲学者ニーチェの逸話を基に“人間の尊厳"を追求する深遠な黙示録が、いま幕を開ける―
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