ロマン・ポランスキー短篇全集(1) | Untitled






『戦場のピアニスト』 で名実ともに巨匠の仲間入りを果たしたロマン・ポランスキー

そのおかげで、彼がポーランドの映画学校時代から撮られた8つの短篇がソフト化。

単に、彼の原点を探るという意味合いにとどまらない

これを代表作にした方が良いのでは・・・・と思わすぐらいの傑作ぞろいっ!

今回は、8篇のうちの4つの作品のご紹介。



殺人者(’57)ポーランド国旗
ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

寝ている男のところに別の男が入ってきて刺し殺す・・・・

だけの、2分弱のショートショート・ノワール。

ヒッチコック作品を思わせる緊張感のある映像。

殺人者の背中で画面が真っ黒になるところがお気に入り。



笑顔(’57)ポーランド国旗
ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

アパートに住む男が階段を降りてくる。途中の階の窓を覗くと

裸の女性が洗面所で頭を拭いている。

男は気持ちの悪い “笑顔” を見せる。

そして、この後、もっと気持ちの悪い “笑顔” が・・・・・

私が思うに、欧州(特にフランスとポーランド)は

“のぞき” が、文化として根ざしているいるように感じてしまう。

 


パーティを破壊せよ(’57)ポーランド国旗
ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

タイトルのとおり、パーティの破壊を “ガチ” で撮った作品。

本物のパーティを開き、内緒で不良たちを乱入させたらしい。

即興演出、ジャンプ・カット、ダンスシーンのみずみずしさ

あり余った若者のエネルギー。 ヌーヴェル・ヴァーグっぽい作品です。




タンスと二人の男(’58)ポーランド国旗
ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

海の中から現れたタンスを担いだ二人の男が、タンスを担いだまま町を歩き

電車に乗るのを断られたり、レストランから追い払われたり

不良たちに乱暴されたりと、現実の世界では散々な目に遭う。

これは、ポランスキーのキャリアの中でも、1.2を争う傑作なのでは

タンスに貼られた鏡の演出も実に見事。

初期のポランスキー作品を支えたクシシュトフ・コメダのジャジーな音楽がまたいいっ。




次回は、残りの4篇をご紹介しま~す。



→ ロマン・ポランスキー監督作品



ロマン・ポランスキーがポーランドの映画学校時代から撮られた8つの短篇集
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