愛の亡霊 | Untitled





愛の亡霊(’78)日本フランス国旗


原作 : 中村糸子の小説「車屋儀三郎事件」

監督 : 大島 渚


最近になって、この人の凄さを感じていたところだったので

本当に、惜しまれてなりません。。。。。

大島監督が、世界に認知された作品のひとつ

もう怖くって、美しくって・・・・・

『愛のコリーダ』
でもそうでしたけど、体に力入りすぎて

観終わった後、消耗しきってしまいます(笑)

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

明治28年、とある村。2人の子供と暮らす車夫の儀三郎(田村高廣)と妻のせき(吉行和子)

儀三郎が仕事で留守にしている間に、定職も持たずぶらぶらしている豊次(藤竜也)が

通いつめるようになり、その結果豊次はせきを無理やり自分のものとしてしまう。

これをきっかけに情事を重ねるようになった二人は儀三郎の存在を邪魔に思うようになり

ある晩、儀三郎を殺害し古井戸に投げ込み証拠隠滅を図る。

しかし、その後、儀三郎の幽霊が現れるようになり・・・・。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

吉行和子は今でこそ、人のいいお婆ちゃん役とかやっていますけど

過去にここまで体当たりな激しい役をやっていたのですね。

粗末な服から伸びるおみ足や、はだける胸元。

艶かしい色気に、ちょっとした可愛らしさもあり、田舎臭い訛りも逆に色っぽい。

映像の方も幽霊となった儀三郎が、せきを人力車に乗せ走らせるシーンや

古井戸の底から上を見上げ、落ち葉がひらひらと舞い落ちるシーンは、ほんと美しいっ。

日本独特の幽玄美を見事に描いています。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

白い顔で、嫁の前に現れた儀三郎は特に危害を加えるでもなく

お酒もらったり、芋を食べたりと人間臭い幽霊。

きっと大好きな嫁のそばに居たかっただけなんですね。

古井戸に突き落としたり、底から見上げたり

井戸の底で死体を探したりするくだりは、明らかに 『リング』

貞子の名の由来は、もしかして 『愛のコリーダ』 の “阿部定”?

$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

監督としてまだ無名だった大島監督が、売れっ子女優の小山明子に

「世界で通用する監督になって、カンヌに連れてってやる。」

と、プロポーズして結婚したそうですが、監督賞まで受賞して

見事、実現させたんですね。 改めてご冥福をお祈りいたします。



カンヌ国際映画祭監督賞受賞作

→ カンヌ国際映画祭受賞作


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