コントラクト・キラー(’90)
監督 : アキ・カウリスマキ
やっぱり、ジャン・ピエール・レオーはカウリスマキの作風に合っているんだと思います。
とぼけた風貌や、間のとり方とかが絶妙ですっ。
長年勤めた職場を追われ、家族も恋人もなく、人生に絶望した男(ジャン・ピエール・レオー)
自殺を試みるものの、なかなか死ねず踏ん切りがつかない。
そこで、殺し屋を訪ね、自分を殺すよう依頼する。
しかし、花売りの女性(マージ・クラーク)と出会ってから
生きる希望を見出してしまい殺し屋から逃げ回るハメに・・・・。
冒頭、職場の中で仲のいい同僚もなく一人ぽつんと佇むレオー
誰もいない家に帰って鉢植えに水をあげるんですけど
足場が弱くて鉢植えがひっくり返ってしまうんです。
唯一の心の拠り所であろう植物にまでソッポを向かれてしまう
いよいよ自殺しようとロープを首にかけるけど
明らかにロープをかけるフックが弱い(笑)
ガスオーブンに顔を突っ込むこけどガス会社のストでガスが出ない。
生きるのも下手くそだけど、死ぬのはもっと下手な男。
殺し屋に依頼してから、家で待ち構えているんですけど
手持ち無沙汰になって、向かいのパブに行くんです。
「向かいのパブにいる」と律儀に置き手紙を残して(笑)
殺し屋の男は、実は末期ガンで余命いくばくもなくて
この男が哀愁たっぷりなんですよね~
くすんだ色彩の中、花売りの女が手にしている真っ赤な薔薇や
羽織っている真っ赤なガウン。 ほんのりとした幸福感が伝わってきます。
アキ・カウリスマキ監督作品
ラヴィ・ド・ボエーム/コントラクト・キラー [DVD]/アンドレ・ウィリアムズ,マッティ・ペロンパー
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