カサノバ(’76)


監督 : フェデリコ・フェリーニ
性豪として有名なジャコモ・カサノヴァの女性遍歴と波乱に満ちた人生を映像化
『女の都』 でも書きましたが、淀川さんの言葉のとおり
あぶら手で人間を撫でまわし抱きしめるような映画です。

「あなたは女の肉体を旅しているんだ」
「どこに行き着く? どこにも行き着かぬ」
18世紀のヴェネツィア。カーニバルの最中
カサノバ(ドナルド・サザーランド)は尼僧のマッダレーナと密会する。
その帰り、彼は異端の容疑で鉛屋根の牢獄に入れられる。
牢獄で彼はかつての恋人たちとの思い出に慰めを見出す。

付け鼻と付け顎、更に額の毛を剃り、ゆで卵のようになった
カサノバ役のドナルド・サザーランド
カサノバの人生そのものを道化のように見せたフェリーニ
ドキュメンタリー映画 『フェリーニ~大いなる嘘つき~』 で
サザーランドがこの作品での撮影について 「地獄だ! 鬼だ!」
と、ぼやいていたの思い出しました(笑)

カサノバと出会う多くの女性は決して美しいとは言い難く、かなりキワモノ
カサノバは、相手がキワモノだろうと老女だろうと女であれば構わない。
濡れ場シーンでも、フェリーニは決して美しく撮ろうとしていない。
むしろ滑稽に映し出し、カサノバの空虚に満ちた人生をあぶり出している。
そして、女から女へ渡り歩いたカサノバの行く末は、生身の女から機械仕掛けの人形へ・・・・・
イタリア本国では、本作品のジャンルは “伝記” でも “ヒューマン” でもなく
“グロテスク” なんだそう。

製作費60億リラ。全編チネチッタ撮影所で撮影された絢爛豪華な世界
冒頭の、ヴェネツィアの運河に沈んでいく巨大な月の女神
カサノバのもとに舞い降りるように現れる蝋燭のシャンデリア
女色フェリーニによる、胸焼け覚悟の圧巻の世界です(笑)
フェデリコ・フェリーニ監督作品性豪・カサノバの女性遍歴を巨匠、フェデリコ・フェリーニ監督が絢爛豪華なセットを設え製作した超大作。18世紀のベネツィア。カーニバルの最中に尼僧と密会していたカサノバは、その帰りに異端の容疑で拘束され、鉛屋根の牢獄に入れられるが…。
フェデリコ・フェリーニ セレクション カサノバ [DVD]/ドナルド・サザーランド,ティナ・オーモン,シセリー・ブラウン

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