雪夫人絵図(’50)
原作 : 舟橋聖一の同名小説
監督 : 溝口健二
「女のからだは魔物が住んでいるんですわ」
溝口監督の毒々しさが凝縮された、影の代表作とも言われている作品
旧華族出身の雪(小暮美千代)は、直之(柳永二郎)を婿養子に迎えて結婚するが
直之は、雪を熱海に残し女遊びに出歩き財産を食い荒らす毎日
雪には心の支えとして、幼馴染の琴の師匠方哉(上原謙)が居たが
夫と離婚して方哉と一緒になる決心はなかなかつかない・・・・
「心ばかりで、肉体はぜんぜん別物のように直之の愛を受け入れてしまう……」
「私は直之をどんなに憎んでるか……」
「いえ、直之よりもそうなってしまう私が情けなくって……」
心は方哉を求め・・・体は直之を求める・・・
そんな堕ちていく女の姿を、そばで見つめる女中浜子(久我美子)
“艶っぽい” という言葉は、この人に使うものなんだと思います。
小暮美千代・・・・疲れた女って、どうしてこんなに惹かれてしまうのでしょう(笑)
蚊帳を通しての幻想的な画、湖周辺の深い霧、
エロティズム漂う作品なのですが、品格がある。
久我美子が屋敷を駆ける姿を、真横から撮るカメラワークも
キレッキレの冴えを見せています。
溝口健二監督作品
旧華族出身の主人公雪(木暮美千代)は、直之(柳永二郎)を婿養子に迎えて結婚するが、直之は雪を愛しながらも、雪を熱海に残し、女遊びに出歩き財産を食い荒らす放蕩の毎日だった。
雪夫人絵図 [DVD] COS-051/山村聡,浦辺粂子,加藤春哉
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