疑惑の影（’４３）
監督 ： アルフレッド・ヒッチコック
緊張感のある心理描写・視覚効果・・・お見事です。
カルフォルニアの田舎町の駅に、謎の男チャーリー（ジョセフ・コットン）が降り立つ
妹の嫁ぎ先であるニュートン家へ突然訪れるが、何か訳ありな様子。
ニュートン家の長女で、叔父と同じ名前を持つ娘チャーリー（テレサ・ライト）は
憧れの叔父を快く迎えたのだったが・・・・
全体通して完成度の高さを感じたのですが、思わず唸ってしまったシーンが３つありました。
食卓を囲んでいたとき叔父チャーリーが、金持ち未亡人をブタ呼ばわりして悪態をつく。
それを、姪チャーリー目線で叔父の横顔を見据えながら 「それでも人間なのよ」
「そうか」 と、カメラ目線で不気味につぶやく叔父
叔父に疑念を抱いた姪チャーリーが、図書館に駆け込み新聞記事に目を通す。
新聞を読み終え席を立ち、図書館を後にしようとするチャーリー
カメラがぐぐっと引き、彼女の長～い影が・・・・・まさに “疑惑の影”
彼女の心の内を上手く表しています。
叔父チャーリーが階段の上から見下ろすと
帽子を手に、入り口で突っ立つ姪チャーリー
そして、再び長～い影・・・・・
無垢なだけの小娘が、人間というものを学んだかのような姿
姪チャーリー役のテレサ・ライトが、とても素敵でした。
特典映像のインタビューで、いい歳の重ねかたをした彼女が
「作品自体が生命を持つことがあるけど、これは長生きね」
ニュートン家に突如現れたチャーリー。快く迎えた姪チャーリーだったが、叔父の正体がわかるにつれて無邪気な娘心に疑いが芽生えていく。
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