トスカーナの贋作 | Untitled



トスカーナの贋作(’10)フランス国旗イタリア国旗


監督は、アッバス・キアロスタミ


どどどどストライクな作品ですっ!

こんなにも混乱に、心地よく酔える映画はそうそうない。

$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

「“本物” の価値を証明するという意味で贋作にも価値がある」

著作 “贋作” の講演ため南トスカーナへやってきた英国人作家ジェームズ(ウィリアム・シメル)

そこで出会ったイタリアでギャラリーを経営するフランス人女性(ジュリエット・ビノシュ)

出会ったばかりの男と女のはずだったのに、ひとつの勘違いから

偽りの夫婦を演じはじめる・・・・ いや元々、夫婦だったのか・・・・それとも・・・・

「モナリザもジョコンド夫人の複製だ。」

「あの微笑み。あれは自然な笑みか。それともダ・ヴンチの注文か?」

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

ジェームスと彼女(役名がないんですよね)がドライブに出かける。

運転席と助手席に乗る2人が非常に見えづらい・・・・

と思ったら、フロントガラスに両サイドの建物が映りこんでいるんですよね。

車を走らせながら、トスカーナの街並みを映し出している素晴らしいシーン

「ところで、どこへ向かってる?」

「ただ走ってるだけよ。あてもなく。」

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

すべて脚本どおりなのか? 監督の即興演出なのか?

ジュリエットのアドリブが炸裂したのか(笑)

謎めいたものを感じながらも、妙にリアルな男と女のやりとり。

イタリア芸術に触れながら、愛のカタチを確認すると捉えれば

ロベルト・ロッセリーニ監督の 『イタリア旅行』 を思わせます。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

この画なんですけど、観客が見たいのは奥の部屋なんですよ。

記念撮影の順番待ちしている花嫁さん。

どこか緊張した面持ちようにも見えるけど、泣いた後のようにも見える。

言いようのない不安に駆られてるように見える。

人生の節目になるこの日。彼女は何を思っているのか・・・・

1番印象的なシーンでした。

$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

鏡に向かって “紅” を塗るジュリエットの表情は

生々しい “女” の姿が見えた気がします。

やっぱり彼女は上手いですね。

現役フランス人女優で言えば、カトリーヌ・ドヌーヴ、イザベル・ユペール

そして、ジュリエット・ビノシュですね。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

夕日が射し込んだ部屋で、ジェームスが立ち上がると

壁に鳥が羽ばたいた影が映ってるんです。

この絶妙なタイミングっ!!

「ママママリー」 からの 「ジェジェジェジェームス」 のくだりもたまらなく好きです

ふと 「パパパパパフィー」 を思い出しました。



※パパパパパフィー
'97~'02まで放送された、PUFFYをMCにしたゆるゆるトーク番組
番組名の命名者は松本人志



夜にたどりつけない男と女。偽りの“夫婦”は、愛の迷路を彷徨う。夜9時の鐘の音が鳴るまでに…
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