早春(’56)
監督は、小津安二郎
原さんのいない小津作品
でも、淡島千景が主演だから、ちょっと期待・・・・
不倫を描いたということで、小津さんにとっては異色作になるのかな?
丸ビルの会杜に勤めているサラリーマン池部良
妻、淡島千景との仲は倦怠期
子供を早くに亡くしている。
毎朝同じ電車に乗り合わせることから
いつとはなく親しくなった仲間
その仲間のひとり岸恵子と急接近する。
2時間半近く長々と、サラリーマンの悲哀や不倫を描くのはどうなの?
と思いながらも、ついつい見入ってしまい、小津監督の静かな力を感じてしまった。
ついつい見入ってしまった要因のひとつが、岸恵子の美しさ
お好み焼き屋の個室で池部良をそれとなく誘惑するシーンなんかは
不思議なエロティズムを感じてしまった。
他の小津作品で、原節子ときゃっきゃしていた淡島千景が
とっても可愛らしかったけど、今作は旦那の浮気に苦悩する嫁ということで
全然、笑ってくれなかった・・・・・
でもですね。浴衣姿でうちわをゆっくりあおぎながら
帰りの遅い旦那を待っているんです。
そのたたずむ姿が綺麗で綺麗で・・・・
タイトルの “早春” なんですけど
劇中では、汗が滴り落ちる “真夏”
長い人生の中で夫婦の倦怠期は、 “早春” にすぎない
ということなのでしょうかね。
小津安二郎監督作品
蒲田に住む若いサラリーマン(池部良)が通勤電車で知り合ったサラリーマン仲間たちと遊ぶようになるが、それがもとで同僚のちょっと不良っぽい娘(岸恵子)と関係を持ってしまい・・・
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