地獄に堕ちた勇者ども(’69)
監督 ルキノ・ヴィスコンティ
ナチスが台頭し始めた1,933年の冬
ドイツ、ルール地方に勢力を持つ鉄鋼王、エッセンベック家のパーティーの夜
当主エッセンベック男爵が何者かの陰謀によって暗殺される。
この事件を契機に起こる一族の跡目相続の骨肉の争いと
それによって漁夫の利を得ようとする、陰険なナチス親衛隊の存在を描き出しています。
冒頭のパーティーで、『嘆きの天使』 のマレーネ・ディートリッヒに扮して 「ローラ」 を歌うこの人
DVDのパッケージになっていましたが、てっきり女だと思ってたら 男 だったんですね。
ヘルムート・バーガー
どんだけ美脚なのっ
でも、素顔に戻ったら男前なんですよね。
殺されたエッセンベック男爵の唯一の直系
マザコン、少女趣味、近親相姦、ナチズム
恐ろしいほどの変貌を遂げます。
憎しみや欲望が、彼をこうもさせてしまったのだろうか。
ちなみに、ヴィスコンティ監督が亡くなった時
「自分は、ヴィスコンティの未亡人」
と語っています。
男爵の姪の娘、 シャーロット・ランプリング
旦那が、男爵殺しの容疑者され彼女の運命も変わっていく
この面影、どこかで見たことあると思ってたら
フランソワ・オゾン監督作品に出てた人ですよね。
男爵の戦死した息子の未亡人 イングリッド・チューリン
「権力は、全てか、ゼロかよ!」
この女が、1番腹黒く、影で全てを操るかと思われたが
堕ちかたが凄まじかった。
この作品の唯一の欠点は、登場人物が多く関係が複雑で
誰がどうでどうなったの?
序盤に登場人物を、紹介がてら丁寧に描く・・・・・
なんて野暮なことは、ヴィスコンティはしませんね(笑)
ヴィスコンティ作品って、アルコール度数がやや高いお酒のようですね。
初めて口にした時は、 うっ と、むせ返るんですが
味をしめたら、もうこれしか飲めない。
終盤の結婚式は、これ以上ない薄ら恐ろしさだった。
でも、美しい・・・・。
“美しさ” と “醜さ” は表裏一体なんですね。
ルキノ・ヴィスコンティ監督作品
1933年、ナチス勢力が台頭しはじめたドイツ第三帝国黎明期のルール地方を舞台に、製鉄王エッセンベック男爵一族の家の実権を巡る骨肉の争いを描いた作品
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